第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその四十一
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「あの兵器についてもです」
「大丈夫ですか」
「あの様な敗北には至らない」
「そうでしたか」
「私が思うには」
八条個人の主観であるがというのだ。
「あの方ならです」
「見破られて」
「そして、ですか」
「オムダーマン軍のあの兵器を破る」
「そうされていましたか」
「そして戦線もです」
国境にあったそれもというのだ。
「持ち堪えていたでしょう、そして若しもです」
「若しも?」
「若しもといいますと」
「オムダーマン軍に隙が出来れば」
その時はというのだ。
「必ずです」
「そこを衝いて」
「そうしてですか」
「オムダーマン軍を破っていた」
「そうでしたか」
「はい、そうなっていました」
確実にというのだ。
「あの方は」
「左様でしたか」
「それではですね」
「次の会戦もシャイターン主席にかかっていますか」
「ティムール軍は」
「オムダーマン軍もそうですが」
この軍隊然りというのだ。
「ティムール軍もです」
「シャイターン主席にかかっていますか」
「オムダーマン軍がアッディーン大統領にかかっている様に」
「ティムール軍もシャイターン主席にかかっていますね」
「あの方に」
「両軍共司令官も参謀もいいのですが」
その質は高いというのだ。
「ですが」
「それでもですか」
「両軍共、ですか」
「総司令官の存在が大きい」
「国家元首であるお二方の」
「そうです、ですからティムール軍は」
この軍はというのだ。
「次もシャイターン主席が不調なら」
「敗れる」
「そうなりますか」
「そして次に敗れれば」
「その時は」
「ティムールの統一はほぼです」
絶対にではないがというのだ。
「なくなります」
「そうなってしまいますか」
「若し次に敗れれば」
「その時は」
「あの方はおられないのではないのか」
こうもだ、八条は言った。
「そう考えた時もありましたが」
「流石にですね」
「それはないですね」
「シャイターン主席が戦場に不在であることは」
「有り得ないですね」
「流石に」
「そうです、考えなおしてみますと」
ティムール軍の状況からというのだ。
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