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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
お兄様は妹を助けたい話
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しょうか。」
「ごめん…ごめん…っ!!君の苦しい思いを…見て見ぬふりしてたんだ…!!」

彼女を抱きしめる。
痛ましいほどに細くて、不安な程に軽い身体。
これ以上したら折れてしまうのでは?と思うくらいに強く抱き締めていた。

「舞様…痛いです。」
「僕を…殺しに来たんだよね?じゃないと、ゴッホちゃんはもっと酷い目にあうんだよね?」
「はい、そうです。でも…。」

そう言うとゴッホちゃんはトン、と僕を突き放した。

「今回来たのは舞様を殺すためではありません。お別れを、言いに来ました。」
「お別れ…?」

それは、つまりどういうことなんだ。

「殺すことに失敗した。もう舞様の夢の世界には行けなくなったと嘘をつきます。」
「それって…!!」

そんなことを言ったら、ゴッホちゃんはどうなる?
葛城財団の人達は受けた任務を果たせず帰ると皆問答無用で殺されると聞いたことがある。
任務に失敗したらゴッホちゃんは…!

「殺されてしまう…ということは無いと思います。こんなんでもゴッホは貴重なフォーリナーですし。元々は舞様がフォーリナーを複数所持していることにマスター様が嫉妬して生み出された存在ですので。」
「でも…!」
「でもも何もありません。ゴッホのこれからは、舞様が気にすることでは無いのですから。」

そういうとゴッホはこちらに背を向け、とぼとぼと歩いていく。

「それではさようなら。短い間でしたがお兄様からは暖かさ≠ニいうものを教わりました。こんなゴッホに優しくしてくれて、ありがとうございました。」

とても寂しそうな背中。
弱々しくて、誰かが守らないとどうにかなってしまいそうな存在。

じゃあ、

「行かないで!!」

お兄様として今手を伸ばさないで、いつ伸ばす?

「はうっ!?」

ゴッホちゃんの手を掴む。
驚いたゴッホちゃんはブンブン振って離そうとするも、そんなこと許さない。

「舞様!!離してください!!」
「辛いなら辛いって言って!!逃げたいなら逃げたいって言ってよ!!僕は、ゴッホちゃんのお兄様なんだ!!どうにも出来ないなら頼ってよ!!」
「ゴッホは……ゴッホは、わたしは…」

口をわなわなと動かすも、言葉が出ないゴッホちゃん。
手を離さず、目をじっと見つめるも彼女は目を泳がせて逸らし続ける。

「ゴッホは、サーヴァント、マスター様の、奴隷です。そもそもサーヴァントと兄妹関係を築こうなんてそんなの周りから見たら笑われちゃ…」
「関係ない。」

ぴしゃりとゴッホちゃんの意見を遮る。
あいつのサーヴァントだからなんだ。
サーヴァントは奴隷なんかじゃない。
とても親密で、誰よりも近くて信頼し合える理想のパートナーだ。

「あの時約束した
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