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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
五代目火影
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が出来ると信じていたのに。
 何故こんな時にガイはいない、とネジはテンテンとまったく同じことを思った。そしてテンテンを振り返った。

「行くぞ、テンテン」
「……ネジ」

 こういう時、もしかしたらリーを一人にさせておいた方がいいのかもしれない。だけど今の状態のリーを一人にさせておくのは不安だ。
 自分たちがリーに何をしてあげられるのか、まだわからないけれど、きっと何もしないよりましだろうと、二人もまた病室を跳び出て行った。

 +

「で……話とはなんだ、綱手」
「ああ……話ってのは――さっきも言っただろうが、狐者異の子についてだ。ユナトは狐者異のことは覚えているな」

 狐者異の実態がいかようなものだったか知る者は大体、ユナトやカカシと同じ年頃のもの達だ。ヒルマぐらいの年になると、狐者異がどのような存在なのかはあまり知らない。暴食なのに成長しない一族、それ以外の印象は全く持っていない。彼らが何故あれほどまでに大食いなのかも、どのような技をつかうのかも余り広く知られてはいなかった――というのも、狐者異とは閉鎖的な一族だったからだ。
 余り外界と接触するのを好んではいなかったし、何より他の者たちも我が子を狐者異と接触させようとは思わなかった。

「気の違った妖集団のこと――です?」
「……まあ、そうなるな」
 
 余り聞こえのよい言葉ではないが、恐らくそれが最も適切な表現だ。
未だに彼らの体のメカニズムは解明されておらず、妖の中でももっとも謎の多い種類だ。代表的な妖である尾獣や犬神は大抵チャクラの塊だったり、岩で生活している妖は人間に酷似した外見やチャクラ性質をもち、遁術を使うものもいるが、狐者異だけは違う。体の構造自体が人間とは全く違っている――いや、体の構造というよりは経絡系のつくり、というべきだろうか。

「で、ユナトによると彼女が中忍試験で狐者異秘伝のあの技をつかったそうだが」
「あの技……じゃと?」
「不完全だったけど条件としては整ってたです。といっても彼女がこの術のこと知ってるわけないし、ハッカだって覚えてないはずだし、術で探知してみたところ誰も教えてないみたいだし、偶然とみて間違いないです」
「ならいいが……」

 狐者異に伝わる禁術は三つ。
 どれも目覚めなければいいと綱手は願った。
 あの禁術の力を覚醒させて幸せになった狐者異なんていままで一人もいないのだから。

 +

「何が呪いだ。いい加減にしろ!」

 こんなに感情を表に出しているはじめを、ユヅルははじめて目にした。がこん、という音と共に椅子が蹴っ飛ばされて壁にぶつかる。呆気にとられるユヅルの、痩せこけた頬が殴り飛ばされる。青白い顔に落ち窪んだ瞳のチームメイトを、はじめは灰色の瞳でじっと見つめた。
 彼が犬神を
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