プレーンシュガー
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突いていく。やがて最後の一欠片が無くなったころ、可奈美は名残惜しそうにその指元を見下ろしていた。
「ハルトさん……?」
もう一度、ハルトが恐る恐る声をかける。
ようやく我に返ったのか、可奈美ははっとして顔を上げた。
「あ、俺……つい……」
「可奈美ちゃん!」
素で出てきたその一人称をハルトが咎める。
自らのミスに気付いた可奈美は、慌てて「あ、あはは!」と笑いだす。
そんな可奈美へ、友奈が顔を近づけた。
「美味しかったね、可奈美ちゃん! ねえ、今度このお店一緒に行こうよ! 今度真司さんが割引券もらってくるらしいから!」
「そんなに気に入ったなら、この余った分も食うか?」
真司はそう言って、残りを指差す。
礼を言った可奈美は、それを受け取り、今度は大きく口を開けてかぶりつく。ほんの二、三口で、プレーンシュガーは可奈美の胃袋へ消えていった。
「す、すげえ……」
真司が舌を巻く一方で、可奈美は名残惜しそうに指元を見下ろしていた。
「可奈美さん、すごい食欲でしたね」
小さな口で一生懸命プレーンシュガーを頂きながら、チノが呟く。
可奈美は目を泳がせながら、最後の一つにも手を伸ばす。
他の面子の温かい目の中、最後の一個は、当然の如く可奈美の胃袋に消え。
ハルトの精神に宿る可奈美は、戻った等分燃焼をしなければいけないなと感じた。
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