第六百八十話 食べてみてその六
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「いいわよね」
「そうだね」
「百億の市民が力を合わせてね」
「それだけ目立とう」
「あの国の半分程度は」
「せめてね」
こう言うのだった。
「あまり多くは求めないけれど」
「カナダ人って無欲だね」
トムも言った。
「そうだよね」
「ええ、そうよね」
「昔からね」
「目立とうともしないで」
「それで存在感も出せないね」
「無欲はいいことでも」
メアリーはそれ自体はいいとした。
だがそれでもだ、トムそれにシッドに対して苦い顔になってそのうえで二人にこうも言ったのだった。
「国家として存在感を出せない」
「それで何処にいるかとか言われて」
「透明人間扱いだからね」
「国家としてね」
「そうだから」
「挙句透明国家とか」
そうしたというのだ。
「そんな仇名もね」
「嫌だえ」
「本当に言われるからね」
「それ言われたら」
「もう嫌で仕方ないよ」
「だから自己主張よ」
それを行うべきだというのだ。
「本当にね」
「その通りだね」
「僕達からはじめよう」
「カナダ人のお料理をね」
「それをユーチューブのチャンネル作ってやっていこう」
「若しもよ」
メアリーはまたスパゲティを食べて言った。
「これでが人気が出たら」
「カナダが知れ渡るね」
「お料理から」
「カナダ料理は美味しい」
「そう言われてね」
「そして私達もよ」
自分達自身もというのだ。
「いいことがあるでしょ」
「いいこと?」
「いいことっていうと」
「だからネットの動画が配信されると」
そうなると、というのだ。
「広告収入あるでしょ」
「ああ、それあったね」
トムはワインを飲む手を止めて応えた、そしてだった。
一口飲んでグラスを置いてだ、メアリーに話した。
「ネットなら」
「そうでしょ」
「それで登録者が増えて」
「視聴者数が増えるとね」
そうなればというのだ。
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