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八条学園騒動記
第六百八十話 食べてみてその五

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「駄目よ」
「僕達だってね」
「だからそれだけは」
「こだわってるよ」
「そうだけれど」
 それでもというのだ。
「他のものはというと」
「こだわってないね」
「これといってね」
「今食べているスパゲティにしても」
「他の国だと確かにこだわるからね」
 シッドも言った。
「どの国も」
「けれどそれをよ」
 メアリーは強い声で話した、見れば彼女も酒がかなり回って来ていて顔が真っ赤になり目の感じも変わってきている。
「変えていくのよ」
「美食の国にするんだ」
「そうするのよ、そしてひいてはね」
「存在感をだね」
「出していくのよ」
「そうするんだね」
「連合の大国を挙げていって」
 そうした国々をというのだ。
「一国何処だったかなってなると」
「カナダなんだよね」
「いつもね」
「その状況を何とかしたいからよ」
「まずはお料理からだね」
「兎に角目立たない」
 カナダといえばというのだ。
「その状況をよ」
「打開して」
「そしてメジャーとはいかなくても」
「多少でもだね」
「目立ってね」
 そうなってというのだ。
「知られる国になるのよ」
「美食から」
「そうよ、ケベックなんかそうでしょ」
 かつてカナダだったこの国はというのだ。
「ケベック料理って凄いでしょ」
「フランス料理をさらによくした感じだってね」
 トムが述べた。
「そう言われてるね」
「そうでしょ」
「物凄く美味しいって」
「そのことでも有名でしょ」
「国力もあるしね」
「そのケベックにもね」
 絶対にというのだ。
「負けるかじゃないけれど」
「半分位?」
「その位はね」
 せめてもという口調で話した。
「目立ちたいわね」
「そうだね、半分はね」
「ケベックのね」
「あそこまでとは言わないけれど」
「せめてね」
「それだけ目立てたら」
 それならというのだ。
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