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八条学園騒動記
第六百八十話 食べてみてその四

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「もうね」
「まずいよね」
「今思うと」
「火を通せばいいってものじゃないわね」
 メアリーはしみじみとして言った。
「ステーキだってね」
「レアとかなくてね」
「火をただ通す」
「ミディアムとかもなくて」
「シャルダン一択だよ」
「それで卵料理も」 
 こちらもというのだ。
「絶対に火をとことん通して」
「それでだよね」
「半熟とかないんだよね」
「ええ、ないから」
 それでというのだ。
「お料理の幅も狭くて」
「しかもまずい」
「そうだね」
「そうなるわ」
 まさにというのだ。
「簡単に言うとね」
「それで味加減も」
「いい加減だよね」
「日本に来てからわかったよ」
「そうしたこともね」
「そうよね」
 まさにと言うのだった。
「そちらも」
「食べられたらいい」
「そんな感じだよね」
「我が国の料理ってね」
「そうだよね」
「そうね、栄養のことは流石に考えているけれど」 
 それでもというのだ。
「食べられるといい」
「そうだよね」
「そんな考えでね」
「もう味のことは」
「何も考えていないよ」
「ほぼね、だから味もね」
 カナダ料理のそれはというのだ。
「よくないのよ」
「味付けも火加減も」
「全部そうだね」
「とりあえず食べられるといい」
「栄養バランスがよくて」
「それでお腹一杯になったら」
 この条件も満たせばというのだ。
「いいってね」
「こだわるって言うと」
 トムは言った、言いつつワインを飲む。ワインの酔いが飲めば飲むだけ回ってくることを感じながらそうした。
「メイプルシロップだけだね」
「それはね」 
 メアリーも答えた。
「国旗にもなっているし」
「まさにだよね」
「我が国の象徴よ」
「そうだよね」
「あれだけはね」 
 まさにメイプルシロップはというのだ。
「カナダ人もね」
「こだわるね」
「あれがないと」
「僕達動けないよ」
「一週間に一回は食べないと」
 さもないと、というのだ。
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