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レーヴァティン
第二百七十五話 邪神の島その九

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「それだけでだ」
「軍は強くなるな」
「そうだ、だからな」
「クトゥルフとの戦いが終わってもな」
「それでもだ」
 それからもというのだ。
「俺達はだ」
「そうしたこともやっていくな」
「政の中でな」
「そうするな」
「この世界にいる限りな」
「そうだな、何時までいられるかわからないが」
「歳を取らないとだ」 
 そして衰えを感じないと、というのだ。
「人は何時死ぬかな」
「わからないよな」
「俺達は不老だ、だが」
 それでもとだ、英雄は話した。
「不死ではない」
「そうだよな」
「不老も老化が遅いだけだ」
 それに過ぎないというのだ。
「完全な不老不死はだ」
「人だと有り得ないな」
「これは神の話だ」
 人ではなく、というのだ。
「それでだ」
「人だとな」
「絶対に老いるしな」
「死ぬな」
「それは間違いない、俺達は神ではない」
 英雄は断言した。
「それならだ」
「何時かは死ぬな」
「そうなる、だが老いず」
「それが極端に遅いだけでもな」
「それならな」
 まさにというのだ。
「死期もだ」
「わからないよな」
「この世界に来てこのこともわかった」  
「そのこともか」
「俺達はこの世界でも間違いなく死ぬ」
 このことがわかったというのだ。
「起きた世界でもそうでな」
「この世界でもな」
「死ぬ、死なない筈がない」
 強い言葉で断言した、まさにそのことはあらゆる世界においての絶対の摂理であると言わんばかりの断言だった。
「人から神になったのなら兎も角」
「俺達は間違いなく人間だからな」
「死なない筈がない」
 またこう言うのだった。
「何時かはだ」
「絶対に死ぬな」
「ただその強さが神の域に達してもな」
 そうであってもというのだ。
「それだけだ、神はそこにだ」
「神性か」
「それがあってこそだ」
 圧倒的な力に加えてというのだ。
「神になれる、俺達にはどう見てもだ」
「神性はないな」
「神の血も流れていないしな」 
 己の中にというのだ。
「それこそな」
「本当に一滴もないな」
「あらゆることを考えるとな」
「やっぱり俺達は神じゃないな」
「人だ、だからやがてはな」
「死んでな」
「この世を去る」 
 そうなるというのだ。
「間違いなくな」
「そうなるよな」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「そうなろうともだ」
「いいよな」
「当然のことだからな」
 そう考えているからだというのだ。
「それがだ」
「どうして悪いか」
「死ぬことは絶対の摂理の一ついや」
 英雄はここで己の言葉をこうあらためて久志に話した。
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