第二章
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「それを取るとな」
「長生き出来ない」
「人はそうなるのですね」
「病や怪我を治す医学は教えた」
これはというのだ。
「これで命を伸ばすことは出来るが」
「それでもですね」
「命は短いのですね」
「そうなる、どちらにするのだ」
神は夫婦に問うた。
「それで」
「あの、長く生きられても」
夫が神に答えた。
「しかし」
「それでもか」
「はい、人は増えていきますね」
「その通りだ」
神も否定しなかった。
「この世に満ちていく」
「それならです」
夫は神の言葉を受けて答えた。
「まず餓えないことが大事です」
「食べられることがか」
「はい、途方もなく長く生きられても」
それでもというのだ。
「人は食べねば生きていられる餓えるだけでも」
「辛いな」
「左様です、ですから」
「石はよいか」
「バナナが欲しいです」
「医学や薬を教えてもらいましたので」
妻も言ってきた。
「これから我々でも学び」
「自分達でより長く生きられる様にするか」
「そうしますし」
「餓えてかつそれで死ぬよりもか」
「多くの食べものをです」
妻もこう言うのだった。
「欲しいです」
「そなたもそう言うか」
「はい、ですから」
「バナナが欲しいか」
「宜しくお願いします」
「二人共そう言うのならな」
神も頷いた、そうしてだった。
夫婦にバナナを縄に付けてさらに下ろして与えた、夫婦はそのバナナがどういったものかそれに植え方と食べ方も教わってだった。
食べた、そのうえで神に笑顔で話した。
「まことに有り難うございます」
「この恵心より感謝します」
「そう言うならいい、だがまことによいのだな」
神は夫婦にあらためて問うた。
「長生きは自分達でそうなる様にしていき」
「それよりも餓えないことです」
「そのことを願います」
「そう言うならよい、ならこれからもバナナを食べるといい」
神はもうそれでいいとした、そうしてだった。
夫婦は子供や孫達が生まれると彼等に様々なことを教えバナナもそうした、そうして人々はバナナを心から喜んで食べた。
そのうえで他のものも食べて腹を満たした、その数も増えていき世に満ちていった。それと共に医学や薬を自分達で学び長生き出来る様になった、神々はその様子を天界から見て感心して語り合った。
「見事なものだな」
「全くだ」
「餓えないことを願い」
「そして自分達で長生きする様にするとは」
「これが人間か」
「人間は侮れぬ」
「我々が生み出したが」
それでもというのだ。
「我々が思った以上だな」
「実に見事な者達だ」
「頭がいいしよく励む」
「これからもどうしていくか」
「見させてもらおう」
「そうするとしよう」
バ
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