第32話:仲直りしましょ
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術だと思うんだ」
「うん・・・」
「俺は戦術教官として,この姿勢を全否定する気にはなれない。
だって,敵を知り己を知れば百戦危うからずって言うでしょ。
ま,今回のティアナとスバルは己を知らなかったわけだけど」
「私は,全否定したつもりなんてない」
「でも,ティアナはそう感じてるんじゃない?
さっきの模擬戦の記録映像を見たけど,なのははティアナになんて言った?」
「なんで訓練通りやらないんだって言った」
「うん。それさ,取りようによっては”なんで私の言いなりにならないんだ”
って言ってるようにも聞こえるよね」
「私,そんなつもりで言ったんじゃない」
「わかってる。俺もあれを見たときは,技術が未熟なくせに
余計なことやるなって思ったよ。
でもさ,自分が一生懸命考えて,一生懸命練習したことを
全否定されちゃったらさすがにヘコむでしょ」
「うん」
「だから,ティアナとお話して,なのはがどういう思いでいるのかきちんと
言葉で伝えてあげてほしいんだ」
「うん」
俺は席を立つと,ドアの前にいるなのはの包帯に包まれた右手をさすった。
「モードリリースしたのか・・・無茶しやがって」
「ゲオルグくん」
「ん?」
「ありがと」
「どういたしまして」
「あとさ,ちょっとだけ胸かりていい?」
「どうぞ」
俺がそう言うと,なのはは俺の方を振り返り,俺の胸に顔をうずめて
声を殺して泣き始めた。
「ごめんね。制服汚しちゃって」
「まったくだよ。クリーニング代よこせよ」
俺が冗談でそう言うと,なのはは泣きはらした真っ赤な目をしていたが,
満面の笑みを浮かべた。
「やっと,いつもの私たちだね」
「おう。まったく俺にらしくないこと言わせんなっての」
「ごめんごめん。じゃあ私行くね」
「おう。頑張れ!」
「うん!」
そう言ってなのはは部屋を出た。
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