第一章
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婚礼の木
天空と雷の神ゼウスは妹であり女性それに結婚と育児の女神ヘラと結婚することになった。
だがゼウスはその前から派手な女性関係があってだった。
「またですよ」
「またですか」
「そうです、またです」
ヘラはオリンポスの自身の宮殿で腹心であり頼りになる友人でもある虹の女神イリスに対して怒った顔で言った。牡牛の様な奇麗な目に堂々とした姿勢で長身に見事な肢体と髪を持つ色の白い女神である。
「浮気をしたのです」
「あの方らしいですが」
「らしいですが許せますか」
「ヘラ様としてはですね」
イリスは畏まって応えた、ヘラより若い外見で楚々とした顔立ちに虹色に輝く髪の毛を持っている。
「どうしても」
「そもそも私は女性を司ります」
「女性の幸せをも」
「その私が浮気を許す筈がありません」
イリスに怒った顔で話した。
「到底」
「その通りですね」
「そのことを知っていながら」
「どうも男性というものは」
「あの方だけでなくですね」
「神々に限らず人間も」
「下半身に節操も人格もありません」
ヘラは強い口調で言い切った。
「まさに」
「そうしたものですね」
「それは女性も同じかも知れませんが」
自分が司る彼女達もというのだ。
「アフロディーテといい」
「あの方ですか」
「女神も何かとです」
「ヘスティア様は違いますが」
「あの貞節は見事ですね」
「ですが残念なことに例外ですか」
「そうです、女神といい人間といい」
全く以てと言うのだった。
「下半身に節操も人格もありません」
「世を見渡すと誰が父親か誰が母親か」
「ふしだら極まりないです」
ヘラは怒りをイリスに述べていた、そしてそんな時にだ。
ヘラの下にある知らせが届いた、ヘラはその知らせを聞いて尚更怒った。
「それはまことですか」
「はい、ゼウス様が言われています」
知らせに来たヘラに仕える従神女神である彼女が答えた。
「お相手はヘラ様でなく」
「アソポス河のニンフのですね」
「プラタイア殿だと」
「あの方の浮気相手の一人ですね」
ヘラはむっとした顔で述べた。
「そうなりますね」
「そうですね」
「はじめて聞いた名前ですが」
「そうなのですか」
「しかしあの方は特に下半身に節操と人格のない方なので」
それ故にというのだ。
「誰と何をしてもです」
「おかしくないですか」
「女性に飽き足らず美しい少年と見てもです」
相手が同性であってもというのだ。
「見境がないですから」
「そうした方なので」
「そのニンフとあれこれ言ってもです」
「驚かれないですか」
「驚いてはいませんが怒っています」
ヘラは強い声で述べた。
「ですからそのニンフ
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