第五章
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「野球を観るならな」
「俺もだ、かく言う俺もだ」
「同じだよな」
「ああ、もう黒人リーグはな」
寂しそうな苦笑いで話した。
「いい選手はどんどん大リーグに行って」
「そうしてだな」
「寂れていくな」
「そうなるな」
「先細りだよ」
「そうなるか、やっぱり」
「これも運命って言うかな」
彼はさらに話した。
「時代の流れだろうな」
「白人と黒人を分けるんじゃなくてか」
「一緒にしていくな」
社会においてというのだ。
「そうなるだろうな」
「差別はあってもか」
「それでもな、そしてこうなったら黒人リーグは」
またこちらの話をしたのだった。
「先細りって言ったけれどな」
「寂れていくな」
「そのうちなくなるだろうな」
「そうなるか」
「現にチーム減るって話が出てるよな」
マッケンローはこのことを話した。
「黒人リーグの」
「みたいだな」
中年の彼も否定しなかった。
「どうやら」
「そうなっていくとな」
「どんどんか」
「ああ、チームが減っていってな」
「選手がいなくなって」
「スタッフもそうなってな」
「なくなるか」
「そうなるさ、こうなったらな」
寂しい顔で話した、話を聞く馴染みの黒人の中年の彼も否定出来なかった。そして実際にだった。
黒人の選手はどんどん大リーグに入っていき中には最初から入団する選手も出て来た、その分黒人リーグは衰退していき。
客は減る一方でチームも減ってだった。
リーグも減り遂に残るは二チームとなりその二チームもだった。
解散が決定し最後の試合が行われた、その試合が行われた球場ではマッケンローは幸いこれまで一緒に観てきた黒人達と共に観られたが。
彼等はマッケンローにこう言った。
「大リーグの試合で会おうな」
「これからはな」
「ああ、そうしような」
マッケンローは彼等に笑顔で応えた、そして。
次の日職場でジョンソンに話した。
「もうなくなったよ」
「黒人リーグはか」
「最後の試合観てきたよ」
「どうだった?」
「やっぱりいい選手はいなくなっててな」
このことは寂しい顔で述べた。
「もう最後のセレモニーだってな」
「そんな風だったか」
「何もかもな、差別がなくなっていくことはいいことだよ」
このこと自体はというのだ。
「けれどな」
「それでもか」
「楽しんでいたものがなくなることは」
「寂しいか」
「いい選手が一杯いていいプレイが沢山観られたんだ」
このことは事実だったというのだ。
「それがなくなったことはな」
「残念でか」
「寂しいな」
こう言ってだった。
マッケンローは仕事に入った、そしてこの日仕事が終わると大リーグの試合を観戦しに行った、そこで多くの黒人選手達の活躍
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