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夢幻水滸伝
第二百六十六話 決戦を選択その六

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「会談の場所やが」
「それはですね」
「泰山はどないや」
「泰山ですか」
「あそこで会ってな」
 そうしてというのだ。
「そしてや」
「そこで、ですね」
「決戦の場を決めようか」
「そうされますか」
「帰ったら施に伝えてくれ」
 南の棟梁である彼にというのだ。
「泰山でどないやとな」
「わかりました、では」
「そしてや」
 羅はさらに言った。
「一々使者を交えての話は時間がかかる」
「だからですか」
「それでや」
 その為にというのだ。
「これからは貝殻でな」
「それを用いて」
「そしてや」
「そちらで連絡をして」
「話をしたい、そう伝えてくれ」
「では施様に」
「ああ、頼むな」
 こう言ってだった。
 羅は施に貝殻で話をすることを提案した、施は使者からその話を聞くとそれならと頷いた、そうしてだった。
 二人は早速お互いの念を貝殻に送りそのうえで話をはじめた、それで羅は施に言った。
「使者の人に話した通りな」
「会談は泰山でやな」
「そこの麓でどや」
「あの山は中国にとって重要な山や」
 施は真剣な顔で述べた。
「起きた世界でもそうでな」
「この世界でもな」
「そやからやな」
「決戦の場を決める話をするに相応しいやろ」
「ああ、ほなな」
「そこに来てくれ」
「わかった、その時お互いに仲間連れて来んか?」
 施はここで羅に提案した。
「そうするか?」
「ああ、顔合わせやな」
「決戦前にな」
「そやな、お互い起きた世界では知ってるが」 
 それでもというのだ。
「しかしな」
「こっちの世界ではやろ」
「ああ、会ってへんし」
「そやからな」
「お互いに連れて来て」
 そうしてというのだ。
「会おうな」
「ほなな、後は何時会うかをな」
「決めるか」
 詳しい日時の話もしてだった。
 そのうえで話を決めた、そしてだった。
 その話が整ってからだった、施は会談の日時に合わせて仲間達と共に空船に乗りそうして泰山に向かった。
 泰山が見えるとだ、郭は感慨を込めて言った。
「いや、あの山を見てるとな」
「特別なもんを感じるな」
「どうしてもな」
 隣にいる施に応えて述べた。
「中国そして中国にとってそうした山やからな」
「皇帝が儀式を行うな」
「そうした山でな」
 それでというのだ。
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