スーパーロボット大戦OGs
0049話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
騒ぎの詳細は話したか?」
「いや、大体の事しか話してない」
「分かった。ならレモンはこれを読んでくれ。今回の反乱騒ぎに関して捕虜達から聞き出したものを纏めた報告書だ」
レモンに差し出されたのは1cm程の紙の束。恐らく、あの紙全てに基地司令のカールが行ってきた犯罪が書かれているのだろう。
報告書へと目を通すレモン。俺とヴィンデルはたまに眉を顰めながら報告書を読み進めるレモンをただ待っていた。
そして10分程が経ち、最後のページを読み終わる。
「はぁ、連邦軍も末期なのかもしれないわね」
苦い溜息と共に、口に出す。
「ああ、私もそう思う。……だが、何故こうも軍や政府に汚職、いやそれでは生温いな。腐敗が広がって行ったと思う?」
「少なくてもインスペクターとの戦いの最中はそんな事はなかったのよね?」
「ああ。地球の命運を賭けて戦っている中でそんな馬鹿な事をする程に愚かな奴はいなかったと思いたい」
「ならヴィンデルの言う腐敗が広がったのは戦争後、平和になった後って事ね」
「そういう事になる。つまり」
そこで一端言葉を止め、何かを確かめるような目で俺とレモンを見るヴィンデル。
「平和は政治を腐敗させる。そしてその腐敗は酷く感染性が高い為に軍上層部や巨大企業のトップのような、地位や権力を持った者へと感染する」
とうとう言った、か。
「それに対して戦乱が続いた場合、トップが私利私欲で動く事は無い……とは言い切れないが、平和な時と比べると確実に少なくなるだろう」
「確率的に言えば確かにそうだろうな」
ヴィンデルの言っている事は極端だが、ある意味間違ってはいないのだ。
もっとも、それは戦う人間にとっての理想で、一般人にしてみればたまったものではないだろうが。
「そして、戦争は技術を爆発的に進歩させる為の起爆剤でもある」
ヴィンデルの言葉にレモンが続ける。
「戦争があるから、破壊があり……同時に新たな創造が始まる」
「そうだな。テスラ・ドライブやインスペクターの残した技術、EOT。そして極東方面にあるという念動力者の特殊部隊は、トロニウムというその辺のEOTでは及ばない動力源を使用していると聞く」
「確かにそれは否定出来ないな」
実際、戦争によって発展した技術なんて枚挙に暇が無い。
「つまり、人間は戦争によって進化の兆しへと辿り着く」
一端言葉を止め、溜めを作る。
こういう所がヴィンデルの優れている所だ。分かっていても、その言葉へと引き込まれていく。
「すなわち、永遠の闘争。絶えず争いが行われている世界。それが我々の目指すべき理想の世界だとは思わないか?」
チラリ、とレモンがこちらへと視線を向ける。
それは無言でこのままでいい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ