4/13 謎の声
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帰って来た!」
「ただいま。何か、変わり無かったか?」
「ない。帰って来るの、遅い」
「悪い悪い。仕事が忙しいんだよ。ん?何だ、それ。そんな惣菜あったか?」
叔父さんが、俺作のもどきに気が付く。
「お兄ちゃんが作った」
「斎が?お前、料理なんか出来たのか?」
「簡単な物だけど」
「いや、それでも充分だ。いつも惣菜物ばっかってのも、どうかと思ってたしな。テレビ、ニュースにしてくれ」
叔父さんはソファーに腰を下ろすと、菜々子ちゃんは不満そうな顔をしながらもチャンネルを変える。
『次は、霧に煙る町で起きたあの事件の続報です。稲羽市で、アナウンサーの山野 真由美さんが民家の屋根で変死体となって見つかった事件です』
やっぱり、ニュースはこれで持ちきりか。被害者は、今話題の渦中にいるからな。
メディアが飛び付くのも当然か。
『山野さんは生前、歌手の柊 みすずさんの夫で議員秘書の生田目 太郎氏と、愛人関係にあったことが分かっています』
よくある、痴情のもつれってやつか。
『警察では、背後関係をさらに調べると共に、関係者への事情聴取を進める方針です。番組では、遺体発見者となった地元の学生に、独自にインタビューを行いました』
「ふぅ、第一発見者のインタビューだ?どこから掴んでくんだよ、まったく…」
それがメディアの凄いところか。
まぁ、こんな狭い田舎町だからすぐに知れ渡るだろうし、聞き込みの結果なんだろうけど。
『最初に見た時、どう思いました?死んでるってわかった?顔は見た?』
『え、ええと……』
画面が切り替わり、リポーターがインタビューしている映像に変わった。
確かに、うちの学校の女子の制服だ。
声も顔もぼかしているが、どこかで見たような……。
『霧の日に殺人なんて、なんだか怖いよね?』
『え…?殺人、なんですか?』
『あ、えーっと…最近、このあたりで不審な人とか、見たりしなかった?』
リポーター、迂闊すぎるだろう。しかも、ストレートに聞き過ぎじゃないか?
そう思うのは俺だけか?
『や…私は何も…』
『早退した帰りに見つけたってことだけど、早退は何か、用事で?』
『え?えっと……』
リポーター、勢いが強過ぎだ。女子学生、戸惑ってるぞ。
何となく、今日会った小西先輩に似てるような…。
『商店街関係者の多くは、客足がさらに遠のくではと懸念しています…』
「ふん。お前らが騒ぐから、余計に客足が遠のくんだろ…」
再び画面が切り替わり、スタジオに戻った。
画面には、アナウンサーと専門家だろうコメンテーターが映っている。
『まったく、奇怪な事件ですね〜。民
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