4/13 謎の声
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まあ、してたんだろうな。
「んじゃコレ、歓迎の印ってことで。里中のも奢りだぞ」
「うん、知ってる」
俺がトレイに載ったジュースを取るのに続き、千枝も手に取った。
そこからは、他愛の無い話で盛り上がった。
「ここってさー、出来てまだ半年くらいだけど、行かなくなったよねー。商店街とか。店とかどんどん潰れちゃって…あ」
「…別に。ここのせいだけってことないだろ」
まあ確かに、近くにこんな大型のデパートが出来れば、近くの商店街とかは潰れるだろうな。
こういう田舎町なら尚更だろうな。ただでさえ人が少ないのに、それが全部デパートに流れていったら、店を閉めるしかないよな。
とはいえ、商店街には商店街の、デパートにはデパートの良さがあるんだろうけど。
「あ、小西先輩じゃん。わり、ちょっと…」
陽介は少し離れた場所に座った女の子に気付くと、席を立って近付いて行く。
「あれは?」
「小西 早紀先輩。家は商店街の酒屋さん。けど、ここでバイトしてんだっけ」
商店街の酒屋の娘か。あちらさんからしたら、ジュネスは親の仇みたいな存在だろうな。
周りの人間は、いろいろと言いそうだな。
陽介と一言二言話した後、俺と目が合うとこちらに歩いてきた。
「君が転校生?あ、私のことは聞いてる?都会っ子同士は、やっぱり気が合う?花ちゃんが男友達連れてくるなんて、珍しいよね?」
「べ、別にそんなこと無いよー」
声が若干、裏返ってるな。図星か。
「こいつ、友達少ないからさ。仲良くしてやってね。でも、花ちゃんお節介でイイやつだけど、ウザかったらウザいって言いなね?」
「イイやつだよ」
「あははっ。分かってるって、冗談だよー」
……何か、嫌な感じだな。気のせいか?…気のせいだな。
「せ、先輩〜。変な心配しないでよ」
「さーて、こっちは休憩終わり。やれやれっと。それじゃね」
「あ、先輩。はは、人のこと“ウザいだろ?”とかって、小西先輩の方がお節介じゃんな?あの人、弟いるもんだから、俺のことも割とそんな扱いって言うか」
「弟扱い、不満ってこと?…ふーん、わかった、やっぱそーいうことね。地元の老舗酒屋の娘と、デパート店長の息子。…燃え上がる禁断の恋、的な」
「バッ…!アホか、そんなんじゃねーよ」
「ロミオとジュリエットか」
「ちげーって!」
俺と千枝の言葉に、顔を紅くして照れる陽介。図星じゃん。
本当のロミオとジュリエットみたいにならないといいけどね。
「そうだ…。悩める花村に、イイコト教えてあげる。“マヨナカテレビ”って、知ってる?雨の日の午前0時に、消えてるテレビを1人で見るんだって。で、画面に映る自分の顔を見つめてると、別の人間が映ってる
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