第一話 開幕その二十三
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「子供達にもです」
「お話されたのですね」
「そうしました、自分の考えを」
「そうですか」
「運命に絶望しておられますね」
鏡護は自分の前にいる丁に問うた。
「左様ですね」
「はい」
丁はその通りだと答えた。
「まさに」
「左様ですか」
「わらわの夢見は外れたことがないので」
それ故にというのだ。
「ですから」
「しかしそれはです」
「違うのですね」
「わしは信じます」
目を閉じて話した。
「運命はです」
「変えられるのですね」
「最後の最後までわかりません」
そうしたものだというのだ。
「どうなるかはです」
「それはですか」
「最後の最後までです」
まさにその時までというのだ。
「わからず」
「そしてですか」
「はい」
そうしてというのだ。
「変わるので」
「だからですか」
「わしは信じます、三人そして」
「天の龍も地の龍も」
「誰もがです」
まさにというのだ。
「心から死を望んでいないのなら」
「生き残り」
「そして人間も地球もです」
その両方がというのだ。
「これからもです」
「存在出来るのですね」
「はい」
まさにという返事だった。
「この世に」
「わらわは人間がです」
「滅びるとですか」
「見ましたが」
「それも運命です」
鏡護は達観した顔で答えた。
「ですが」
「その未来だけでなく」
「他の未来もです」
運命もというのだ。
「必ずです」
「存在するので」
「はい」
だからだというのだ。
「わしは信じています」
「誰もがですか」
「これからもです」
まさにというのだ。
「幸せに過ごせると」
「戦いを経て」
「そのうえで」
「そうなればいいのですが」
「信じて下さい、人は小さくとも」
「強いですね」
「そうした存在なのです」
こう話すのだった。
「それ故に」
「滅びず」
「地球もです」
「生きていけますか」
「そうです、ただ」
「ただ?」
「泣いているのは地球でしょうか」
鏡護は深い目になり丁に問うた。
「果たして」
「といいますと」
「わしはどうも気になるのです」
丁をその目で見つつ言った。
「果たしてです」
「地球がですか」
「滅びそうであり」
そうしてというのだ。
「それを言っているのか」
「言っていますが」
「ですが地球はです」
この星はというのだ。
「とてもです」
「人間ではですか」
「どうしても滅ぼせる様な」
そうしたというのだ。
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