第二章
[8]前話
こうして課長が取引に出てだった、事情を話すと。
「そうした事情でしたら」
「仕方ないですね」
「むしろ人助けをされるとは」
「お見事ですね」
「そう言って頂いて何よりです」
課長は取引先が納得してくれてよかったと思った、そしてだった。
取引は南郷の行動に好印象を持ってくれた取引先がこちらの話を十分に聞いてくれて無事に成功した、課長は会社に帰ると妊婦を助けて戻って来た南郷に必死に謝られたが。
取引が成功したことを話してから彼に言った。
「また言うがあそこでな」
「妊婦の人を助けなかったらですか」
「最悪だった、困っているそれもだ」
「命に関わる様な人をですか」
「放っておく様ならな」
南郷がそうした人間だったならというのだ。
「その方が問題だった」
「そうでしたか」
「君のことは部長も聞いたし部長から社長にもだ」
会社のトップにもというのだ。
「話がいく、悪い様にはならない」
「そうですか」
「安心するんだ」
課長は最後は笑っていた、実際に彼は社長から人助けで表彰されたりもした、しかもそれだけでなくだ。
「あの妊婦さんは」
「ああ、八条グループのある企業の重役の娘さんでな」
課長はまた南郷に話した。
「臨月でな」
「そこで、ですか」
「もうすぐ生まれるという時で」
「だから苦しまれて」
「蹲ったそうだが」
「そこに僕が来て」
「助かった、それで八条グループでもな」
取引先の上にいるこの世界屈指の企業グループでもというのだ。
「評判になっている、それでうちをグループの系列にだ」
「入れようかってですか」
「話にもなっている、あそこが親会社になってくれたら」
「うちにとってどれだけ大きいか」
「だからな」
それでというのだ。
「その意味でも助かった」
「そうでしたか」
「困った人を助けるとな」
課長はあらためて言った。
「いいことがあるというが」
「このこともですか」
「同じだ、だからな」
それでというのだ。
「君がしたことは本当によかった」
「そうですか、まさかここまでなるなんて」
「いいことはするものだな」
「全くですね」
南郷もそれはと応えた、そうしてだった。
彼の勤めている会社は八条グループの子会社となりその中で発展していった、南郷はその中で実力を発揮していった。それと共に困った人を見捨てない人情家としても知られた。
助けた女性が何と 完
2022・12・26
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