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恋姫〜如水伝〜
一話
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から自分のことを説明するときは、そうしなさい」
「確かに、そのほうが無用に警戒されることもありませんが」
「話が早くて助かるわ」
天の遣いか、その様なものに自分が化けるとはと思っていると夏候淵殿か改まった顔でこちらを見た
「さて。大きな疑問がお互い解決したところで、もっと現実的な話をして良いか?黒田」
そう話を切り出した。
「はい、よろしいですが先の賊の話でしょうか」
「いいえ、賊の方は目を覚ましてから改めて本人を問い詰めるわ、今はあなたの事よ」
「構いませんが、どういった事でしょう」
そういって私の目をみすえる
「あなた、行く宛も無い様だし私に仕えてみる気はない?」
「それはありがたい話ですが私めでよろしいのでしょうか」
「ええ、その高い教養とそれに今までの会話の節々にある品性、そしてなによりその頭の切れとそれを悟らせない所作。どれをとっても申し分ないわ。私の大きな助けになると言い切れるわ」
「そこまで私を買って頂くのでしたら喜んで御仕えさせて頂きたい」
「そう。なら決まりね、部屋を準備させるから好きに使いなさい」
「そこまでの恩遇、心より感謝します」
「ふふ…そうだわ。まだ官兵衛の真名をきいていなかったわね。教えてくれるかしら?」
「真名とは何でしょう?」
「真名を知らないの?、まあそんなところから来た事にしましょう、真名とは自分の気を許した相手だけが呼べる特別な名の事よ、迂闊に喋れば殺されても文句が言えないほど神聖な名よ」
「そうですか、私には真名とは言いませんが。孝高と言う名がございます」
「そう、では孝高と呼べばいいのね?」
「いえ…できれば如水と呼んで頂けるとありがたいのですが」
「如水、いい名ね!ではそう呼ぶ事にするわ。私もあなたに真名を預けましょう」
「華琳さま…っ。こんなどこの馬の骨とも知れぬヤツに、神聖な真名をお許しになるとは…」
夏候惇殿は再び声を荒げたが曹操殿は意にも介さず
「私は如水と話して信ずるに値する者と思って名乗るのまさか私の目を疑うの?」
「いえ…そんなつもりでは」
「ならいいわ、改めて授けるはね、私のことは華琳と呼びなさい如水、それに様はつけなくていいわ、そしてその必要以上に謙った敬語も。わかった」
ときつく念を押してきたどうやらこの口調が少し気に入らないようだ。
「わかりました、では以後。華琳と呼ばせて貰います」

そう言うと、華琳は満足した様に微笑んだ

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