一話
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を見てみると自分の今の姿に驚いた。今の自分の体は足が悪いのがない事とそれにどう見ても元服を終えたばかりの頃の体だった。それを見て何がおもしろかったかわからないが刺史の方は少し笑って
「なんにせよ話は町についてからね!」
と楽しそうに馬を進めた。
しばらくして町に着き役場の中に入ってそこに座るように言われた。そして青い髪の女性が再び訊いた。
「もう一度聞こう。名前は」
「黒田…官兵衛といいます」
「では黒田官兵衛。おぬしの生国は」
「倭の国の播磨という所です」
「…この国にきた目的は?」
「申し訳ありません、わからないのです」
「…ではどうやってここまで来た?」
「誠に申し訳ございません。気が付けばあの荒野にいたもので」
「…華琳様」
「埒があかないわね。春蘭」
「はっ!拷問にでも掛けましょうか?」
「失礼ながら拷問に掛けられましてもそれ以上の事はわかりませんので申す事が出来ません」
「本当に埒があかないわね、…それにしても肝が据わっているわ」
「後はこ奴の持ち物ですが…」
生憎と嚢中には何も入っておらず、持っているのは普通の装束に若い頃好んだ桔梗色の小袖だけだった
「その服もこの辺りでは見ない物だしその羽織っている物はなに?」
と言ったので小袖差し出した。
「改めてみるといい服ね。色合いも鮮やかで品がある賊に狙われてもおかしくないわ」
そういって一頻り見た後返して頂き、再び小袖を羽織った
「そうやって着ていて似合うのだからそれは奪った物ではないようね」
物騒な事を言いながら褒めてくれたのは賊の類と否定してくれているのだろう。
「それにしても、東の果ての島国が貴方の生国なのね」
「…はい」
「貴様ぁ…っこちらが下手に出ていればのらりくらりとわけのわからん事ばかり言いおって」
「別に嘘は申しておりません。それに、今の会話ではそちらの刺史様が納得するように話をしているだけでございます」
「なんだと、貴様ぁっ!」
「はあ…春蘭。いい加減にしなさい」
「で、でもぉ」
「一つお伺いしてもよろしいでしょうか」
「なに?」
「刺史様を含めたお二方の名をお聞きしてもよろしいでしょうか」
「そういえば名乗って無かったわね。私の名は曹孟徳。そして彼女達の名前は、夏候惇と夏候淵よ」
「…今なんと」
「聞こえなかった?」
「いえ…聞こえましたが。少し、信じられないものでしたので」
この女子達が…?
確かにその名であればここが大陸だとわかるがしかし
「失礼ながら、曹孟徳様。曹操と呼ばれておりませんか」
「そうよ、何か引っかかる事でもあるの?」
確かめる意味で念を押し通称まで聞いたが間違いないようである
「恐れながら、私としても信じられない事でして少しばかりの猶予をいただきたい」
ここが大陸だと
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