第二百七十四話 その時が来てその八
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「実際にな」
「それでなんだな」
「ああ、本当に屑だった」
「それでお前その親戚が」
「今も嫌いだ」
「そうだよな」
「くたばったことは間違いないが」
行方不明扱いでもというのだ。
「死体が見付かっていないだけでな」
「まあそうだろうな」
久志もそれは間違いないと思って応えた。
「ヤクザ屋さんの奥さんに手を出したらな」
「しかも強引にらしい」
「不倫ですらないんだな」
「それも相手が誰かわかってだ」
そのうえでというのだ。
「ヤクザ屋さんの奥さんとな」
「それでか」
「手を出した」
「それも強引にか」
「それも相手の自宅でな、忍び込んでな」
「色々と突っ込めるな」
久志もここまで聞いて呆れた。
「もう何かとな」
「そうだな」
「ヤクザ屋さんの奥さんとわかってその家に忍び込んでか」
「強引にだ」
「そればれるに決まってるだろ」
「そしてばれるとな」
「殺されるしかないだろ」
それこそというのだ。
「もうな」
「それで押し倒したが」
「そこでか」
「ヤクザ屋さんの舎弟に見付かってな」
「捕まってか」
「後は行方不明だが」
「素行だけじゃなくて頭も悪かったか」
久志はここまで聞いてこのことを確信した、世の中広いものでこうしたことを平然と行う輩も存在しているのだ。
「そうだったんだな」
「そうだった、この話はヤクザ屋さんから聞いた」
「そうか」
「奴がそうしてきたが」
それでもというのだ。
「俺達親戚には関係ないとな」
「わざわざ言ってきたのか」
「だから自分と俺達は無関係だとな」
「そのことを保証したんだな」
「ああ、ただそいつはな」
「行方不明ってか」
「そうなったからとな」
このことも伝えてというのだ。
「帰っていった」
「そうだったか」
「絶対に死んだとな」
英雄自身もだ。
「確信している」
「絶対にそうだな」
「ああ、それで兎角だ」
「その親戚はか」
「子供の頃から絶対の反面教師としてな」
その立場でというのだ。
「やっていっている」
「それで表情も口調もか」
「出さない様にしている」
「その親戚がやたら出してか」
「醜かったからな」
そう感じたからだというのだ。
「俺はだ」
「表情や声の調子はか」
「出さない様にしている」
絶対にというのだ。
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