第四十五話 アルバイトに部活にその九
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「もうね」
「理解不能よね」
「本当に権力に反対するなら犯罪も殺人もいいなら」
先程の話をまたした。
「それならまずそう言う自分がよ」
「殺されることね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「権力に反対する人達が殺人を犯してもいいなら」
「まず自分が殺されることね」
「そう言うなら」
それならというのだ。
「本当によ」
「自分自身がお手歩になることよね」
「そうよ、どうせその時になったら必死に泣き叫んで」
再びこの話になるが誰もそのまま聞いていた。
「自分だけは助かろうってするわね」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「説得力がないのよ」
「覚悟もないからね」
「革命ってね」
それはというのだった。
「所詮ああした連中ってごっこよね」
「自分達はどう思っていてもね」
「そうでしょ、選挙に行けばいいだけなのに」
このことは学生運動が盛んだった昭和四十年代でも同じだった、ただそれだけで済むことであったのだ。
「それに自分が正しいなら」
「暴力に訴えることなんてね」
一華もその目で語った。
「ないわよね」
「正しい意見だったら皆聞いてくれるわよね」
かな恵もそれはと答えた。
「それこそ」
「そうよね」
一華もその通りだと応えた。
「皆支持してくれるわよ」
「正しいこと言ってたらね」
「それだけでね」
「そうしたものよね」
「暴力なんてね」
「全く出す必要ないから」
「それで何で革命だって言って」
そのうえでだ。
「暴れるのか」
「理解不能よね」
「馬鹿でしょ」
一華はこの言葉をここで出した。
「正直言って」
「ああした人達って」
「どんな大学出ていてもね」
何でも赤軍派は東大の人間が多かったらしい。
「馬鹿はね」
「馬鹿よね」
「そうよね」
そうなるというのだ。
「もうね」
「そのことわかってきたわね、私達も」
「馬鹿とかアホってね」
「学校の勉強のことじゃないのよね」
「学校の勉強は予習復習したら出来ることで」
「人間としての馬鹿とかアホはね」
「馬鹿はね」
それはとだ、一華は言った。
「ものがわからない」
「それでアホはね」
こちらはかな恵が話した。
「加減とかを知らない」
「そうした意味で一概にはね」
「頭が悪い、わかっているべきことがわかっていない」
「そういうことよね」
「暴力振るったら駄目なんてね」
こんなことはというのだ。
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