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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第139話:仕込み完了
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えアームドギアがあっても、届きはしなかったな」
「ぐあっ?!」
「奏さんッ!?」
キャロルが指先を少し動かすと、奏を縛っている糸が動き彼女を後ろ手に縛り上げた。強制的に体勢を変えられ、走る痛みに奏の口から苦悶の声が上がる。
だがこれはある意味で好機だった。何しろ今、キャロルは奏と響に意識を向けている。今ならキャロルに邪魔をされる事は無い。
そう判断して、マリアは一目散にシャトーへと向け飛んだ。
「マリアッ!」
「私はあの、巨大装置を止めるッ!」
1人先走るマリア。その後ろをアームドギアを車輪上の鋸に変形させて走る調と彼女に掴まる切歌、そしてガンランスを砲口を後ろに向けてサーフボードの様に乗って空を飛ぶガルドが追いかけていた。乗り物を使って移動する3人は、あっと言う間にマリアに追いつくとガルドの後ろにマリアを引っ張り上げた。
「え、あ?」
「LiNKER頼りの私達だけど……」
「その絆は、時限式じゃないのデス!」
「未来の義姉を、1人で行かせる訳ないだろ?」
危険を顧みずついてきてくれた3人に、マリアの顔に笑みが浮かぶ。
一方キャロルの方では、拘束された響と奏の救助に透が動いていた。透はライドスクレイパーで一気にキャロルの近くまで移動すると、カリヴァイオリンを用いて2人を拘束している糸を切断。2人を解放するとそのままの勢いでキャロルに斬りかかった。
しかし透の一撃は、束ねて強度を増した糸により防がれ、動きが止まった瞬間反撃を喰らい吹き飛ばされてしまった。
透を叩き落したキャロルは、シャトーへと向かう4人を下から見上げる。
「……それでも、シャトーの守りは越えられまい」
キャロルがそう判断するのには理由がある。一つはまずそもそもシャトーには強力な防衛機構を備えてある事。それともう一つは、ハンスの存在だ。
もう限界ギリギリまで消耗しているハンスだが、それでもキャロルは彼の事を信じていた。それこそ並の魔法使いや装者では相手にならないと思う程に。
一つ気になる事があるとすれば、ジェネシスの魔法使い達の存在だ。あれほど息巻いていた筈の彼らだが、ここ最近姿を見せない。肝心な時に役に立たないと、キャロルは内心で舌打ちをした。
「まぁいい。どちらにせよ、俺を止めるなど能わない」
既に勝った気でいるキャロルに、翼が斬りかかる。キャロルはそれをノールックで回避し翼の背後に回り込むが、そこに下からクリスの銃撃が飛んだ。ガトリングによる弾幕がキャロルに放たれるが、ちょこまかと動くキャロルには一発も当たらず反撃の錬金術がクリスを吹き飛ばさんと迫った。
あわやと言うところで、横から透が飛びつきその勢いのまま突き進んだ事でクリスは事なきを得た。
「くっ!?
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