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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第139話:仕込み完了
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「まるで城塞全体が音叉の様に、キャロルの唄に共振……エネルギーを増幅ッ!」

 モニターの向こうで、増幅されたエネルギーがシャトー下部から放たれ地面に直撃すると、そこを起点に周囲に分散。タイルの溝に水が沁み込み絵柄を作り出す様に、エネルギーが世界中に広がっていった。

「放射線状に拡散したエネルギー波は、地表に沿って収斂しつつありますッ!」

 人工衛星から見える地表の様子。その光景、エネルギー波が描く光の軌跡に、彼らは見覚えがあった。

「なるほど……フォトスフィア、ね」
「これがキャロルの計画の全貌、という事でしょう。ああして全世界を分解し、再構築するつもりだった」
「全く、天晴だわ。組織の力を使わずほぼほぼ個人でこれを成し遂げようと言うのだからね」

 了子とアルドはまるで他人事の様にその様を眺めている。

 そこに発令所の扉を蹴破る様にして洸が入って来た。その後ろには慎次とウィズが続いている。発令所に入る洸を、慎次が慌てた様子で引き留めていた。

「いけません、ここは……!?」
「頼むッ! 俺はもう二度と、娘の頑張りから目を逸らしたくないんだッ! 娘の、響の戦いを見守らせてくれッ!」

 そう言って洸は慎次の制止を振り切って発令所へと入った。慎次はそれを尚も引き留めようとするが、ウィズに腕を掴まれ失敗に終わる。

「行かせてやれ」
「ウィズさん?」
「我が子の窮地に、何も出来ない事ほど親にとって辛い事は無い。何も出来ないならせめて、見届ける権利くらいはある筈だ」

 そうこうしている間に、放たれたエネルギーは一か所へと収束し屹立。地球から一本の光の柱が立った。

 キャロルは己の計画が達成目前である事に、歓喜の声を上げた。

「これが世界の分解だッ!!」
「そんな事はッ!!」

 キャロルに向け、響が飛ぶ。握り締めた拳をキャロルの顔面に叩き付けようとしたが、その拳と体に極細の糸が巻き付き響の体を空中で縫い留める。

 あと一歩と言うところで止まった響の拳を前に、キャロルは勝ち誇った顔をした。

「フッ……お前にアームドギアがあれば届いたかもな?」
「そうかいッ!」

 勝ち誇るキャロルの前、響の背後から奏が飛び出しアームドギアを突き出した。響と同じガングニール、しかして奏の手には大きな槍が握られている。その槍が、極細の糸の結界を切り裂きながらキャロルに迫った。

 こちらは止められない。キャロルの言う通り、アームドギアさえあればキャロルには攻撃が届く。そう思った矢先、奏の槍もキャロルの眼前で停止した。

「ぐっ!?」

 見れば奏の体にも糸が食い込むほど巻き付いて突撃を阻んでいる。響の隣で、奏も空中で攻撃を放った姿勢のまま固定された。

「撤回しよう。例
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