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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第139話:仕込み完了
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た後は地面が大きく抉れていた。あれを受け止めようとしようものなら、そのまま砲撃の威力に押し流されていたか最悪消し飛ばされていただろう。

 あれを受け止めようとしていたのかと、ガルドは己の判断ミスに冷や汗を流した。

「何て威力だ……すまないカナデ、助かった」
「気にすんな。それより……皆ッ! 大丈夫かッ!」

「こっちは大丈夫ですッ!」
「こっちもよ! それにしても……」
「この威力ッ! まるで……」
「すっ呆けが利くものか。こいつは絶唱だッ!」

 一撃で街を崩壊させるほどの攻撃は、シンフォギアであっても容易に出せるものではない。成せるとすれば、クリスの言う様に絶唱以外にありえなかった。
 問題なのは、キャロルがそれを何の苦も感じさせずに行っている事であった。

「絶唱を負荷も無く口にする……!」
「錬金術ってのは、何でもありデスかッ!?」

 あまりの威力に慄く装者達。その間にもキャロルの攻撃は続き、四方八方に砲撃が放たれた。今のところそれに直撃するようなものはいないが、この状況が長く続けばいずれ誰かが倒れる事になる。そうなればお終いだ。

「だったらS2CAで……!」

 絶唱の威力を制御できる響独自の能力、S2CA……それならば確かにキャロルの攻撃の威力を弱める事も不可能ではないだろう。飽く迄理論的には、だが。
 しかしそれをやるには大きな問題があった。

「止せッ! あの威力、立花の体が持たないッ!」

 そう、やってできない事は無いだろうが、やればほぼ確実に響の体に甚大な悪影響が予想されることが問題だった。普段のS2CAだって、響の体には負担が掛かっているのだ。
 仲間内で気を遣いながらの絶唱でもそれなのだ。容赦をする必要のないキャロルの全力の威力をその身で受ければ、響の体が持ち堪えられずパンクしてしまう恐れすらある。そんなリスクを冒させる訳にはいかない。

「でもッ!?」
「そう結論を急ぐなって響。まだ全てが決まった訳じゃない」
「奏、それはどういう……?」

 何やら意味深な奏の言葉に翼が首を傾げていると、マリアが異変に気付いた。チフォージュ・シャトーが不思議な光を発し始めたのだ。

「翼、奏、あれをッ!」
「んッ!」
「おっと?」

 マリアの声に皆が空中に浮かぶシャトーを見ると、琴の音の様な音を発しながら明滅しているのに気付いた。
 何が起こるのかは分からないが、あまりよくない状況だという事だけは分かった。

「明滅? 琴?……共振ッ!?」

 それはチフォージュ・シャトーがキャロルのフォニックゲインに反応して共振しているのを表す現象だった。

 本部で計器と睨めっこをしていた朔也は、今シャトーで何が起こっているのかを事細かに計測していた。

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