第二章
[8]前話
「よかったよ」
「そうですね、大変でしたが」
一緒に三匹、それぞれの家族と共にいる彼等を観るスタッフも観て言った。三匹共ブレンダと彼女の夫にパンク風のブルーノの飼い主達とアジア系のトリクシーの飼い主達と共にとても嬉しそうにそこにいる。
「今は三匹共幸せそうですね」
「そうなってだよ」
「本当に何よりですね」
こう話したのだった、そして。
ハンソンはデトロイトから保護された白黒のピットブルに似た外見の雄犬ブーというその犬が里親に迎えられたのを見てまた言った。
「いやあ、ブーもな」
「何とかですね」
「優しい家族に迎えられたよ」
後輩のマイク=リーゼル若いアフリカ系の長身の大学生の彼に話した。
「よかったよ」
「そうですね、しかしですよ」
リーゼルは苦い顔で言った。
「幾ら何でもです」
「引っ越してな」
「犬をそのままマットの上に置いていくなんて」
「引っ越しで捨てる家具と一緒にな」
「酷いですよ」
「そんな人間もいるってことだ」
ハンソンは苦い顔で話した。
「世の中はな」
「そうですね」
「だがな」
「一月以上近所の人がご飯をあげて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「うちの施設に連絡してな」
「保護する様にしてくれましたね」
「ああ、それでブーも助かってな」
そうなってというのだ。
「本当によかったよ」
「全くですね、じゃあブーこれから幸せになるんだぞ」
「ワンッ」
ブーは応えてそうしてだった。
彼等に鳴いて応えた、そのうえで心ある人達に迎えられて幸せになり。
後日ハンソン達のところに家族から彼が幸せに過ごしている動画を贈ってもらった、その姿を見てハンソンもリーゼルも笑顔になったのだった。
マットの上にいた犬達 完
2022・12・24
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