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妻に寄り添うライオン
第一章

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                妻に寄り添うライオン
 アメリカそしてイギリスを拠点として活動しているある動物団体は南アフリカの自分達の施設にライオンの一家を保護した、そしてだった。
 団体のスタッフの一人はそこのライオンの飼育係でありフェリペ=オスナ鬣の様な黒髪に大きな黒い目に浅黒い肌と面長の顔の一七〇程の背の痩せた彼に話した。
「いやあ、苦労したよ」
「この子達を保護するのにですか」
「酷いペルーのサーカス団から保護したけれど」
 そのスタッフはオスナに困った顔で話した。
「こっちから逃げ周りもしてね」
「それで、ですか」
「半年かかって」
 そうしてというのだ。
「全ての動物を保護出来たよ」
「それで、ですか」
「この子達もね」
 そのライオンの一家を見つつ話した。
「半年かけてだよ」
「皆保護しましたか」
「一家全員ね、雄はレオといって」
 今度は名前の話をした。
「雌はムニュカといって」
「夫婦ですか」
「そうなんだ、何とか再会出来て」 
 そうしてというのだ。
「一緒になれたから」
「これからはですね」
「ずっといられる様にしてくれるかな」
「勿論ですよ」 
 オスナはスタッフに笑顔で応えた。
「そうなる様にします」
「そういうことでね」
「ええ、二匹も子供達もです」
 オスナはさらに言った。
「絶対に離れない様にします」
「宜しくね」
「はい、きっと」
 オスナは一家を送り届けてくれたスタッフに確かな声で約束した、そのうえで彼等の世話をするとだった。
 レオもムニュカも子供達も穏やかな性格でオスナだけでなく他のスタッフ達にも懐きしかもだった。
「ガウ」
「ガウガウ」
「ガウッ」
「ガウウ」
「ガウン」
 一家はいつも一緒にいた、寝ても起きても。
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