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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
打てない理由
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…どうしたんですか?」
「
また
(
・・
)
痛めたんだろ?ただ転けてるから捻挫までいってなければいいが」
「また?」
「あれ?知らないんだっけ?」
彼が何を言っているのかわからず本部席にいる面々に目配せする佐々木。その彼女の視線に首を振るものと無表情でいるものと反応がバラバラだった。
「明里の投げ方はインステップ気味だからな。おかげで球の出所は見づらいが足にかかる負担は大きい。しかもあいつの場合打撃でも中軸にいることもあるし守備もセンターラインにいることが多いからな。とにかく負担が大きいんだ」
春はセンターを守っていた彼女は打順もチャンスで回ることが多い6番にいた。おまけに投手が不足していたチーム事情により度々リリーフに上がる場面も多々あった。背が高い分能力も高いが投げ方に負担がある彼女は当然その前後のプレーの負担も大きくなる。
「安全を期すためにこの大会は守備も打順も負担を減らしたんだろうが、累積疲労がでかかったんだろう」
「前にも痛めたことあるんですか?」
「あぁ。まぁ骨とかに異常があったわけじゃないからすぐに戻ってこれたが……この感じじゃあ決勝も出れないだろうな」
今のプレーで3点差に広がったビハインド。その上主力の一人が抜けてしまったことは言うまでもなく大きい。
「でも……これでよかったのかもな」
「「「「「え?」」」」」
「恐らく明宝の次のキャプテンはあいつだろう。しかも優愛と葉月の前にランナーを出すことを考えると一番に明里、しかも守備力的にもショートでますます負担がかかる。ピッチャーもしてショートもして打撃でも一番になって……一度ここで休めるのはあいつの選手生命を考えるとよかったのかもしれない」
しかし新チームの主軸になることは間違いない明里。そんな彼女の離脱はチームとしてはあまりにも大きい。
(しかも明里の打順は7番。あいつのすぐあとに当たってる奴がいるだけに明里が抜けるのはデカイ……よな)
二回以降ヒットを打っているのは莉愛のみ。しかし打てない理由の一つであるムービングに気が付いたのは明里。そんな彼女が戦線を離脱することは明宝からすれば大きな痛手だろう。
(いまだにノーアウトランナー二塁……ここからどうやって巻き返す?監督)
ベンチで苦虫を噛み潰したよう表情の指揮官を見つめながら町田は複雑な感情を押し殺すように口を真一文字にしていた。
莉愛side
ガキッ
セカンドに弱々しい打球が転がる。それを紗枝は難なく捕球すると一塁へと送球しアウト。それを見て私は大きく息を吐き出し、ベンチへと戻っていく。
「よく耐えたよ!!瑞姫!!」
「うん、サンキュー」
ノーアウトランナー二塁の場面か
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