第七十九話 アイスティーその五
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「嬉しいことに」
「本当によかったですね」
「痩せれば痩せる程いいとは」
速水はその右目に悲しいものを込めて話した。
「決してです」
「ないですよね」
「その筈がありません」
咲に対して答えた。
「絶対に」
「それはそうですよね」
「痩せ過ぎになると骨と皮ばかりになり」
「不健康で」
「よくありません、見ても」
その外見をというのだ。
「そうなるので」
「それがですね」
「その人はわからなくなっていました」
「失恋のトラウマのせいで」
「はい、まことに太り過ぎと痩せ過ぎは」
「正反対の様で」
「同じです」
そうだというのだ。
「まことに」
「不健康だから」
「そうです、そして日本人は」
「肥満に神経質ですか」
「そればかり見て」
それでというのだ。
「かえってです」
「痩せ過ぎていますか」
「世界的な統計を見ても」
そうしてもというのだ。
「かなり痩せていますので」
「世界的にもですか」
「流石に飢餓状態にある国は別ですが」
アフリカの一部の国や北朝鮮等だ、実はそうした国そして人は減ってきている。これは二十世紀末期から続いていることだ。
「日本人は世界的に見て」
「痩せてますか」
「むしろ痩せ過ぎな位に」
そこまでというのだ。
「そうなっていまして」
「肥満を気にし過ぎて」
「よくないです、ですから」
「多少以上ですね」
「太っていいです、ただ」
ここで速水はこうも言った。
「糖尿病にはご注意を」
「なると大変ですね」
「一生ついて回りますから」
そうした病気だからだというのだ。
「糖分の摂り過ぎにはです」
「注意ですね」
「はい、くれぐれも」
こうも話すのだった。
「ですから私もお茶にです」
「お砂糖あまり入れてないですね」
「入れない時もあります」
「そうなんですね」
「私の占いは実は結構エネルギーを使いまして」
「そうなんですか」
「力を込めますので」
その力が何かは咲に話さなかった。
「そして出張中は特にです」
「力を使う占いをされるんですか」
「お仕事に」
占いとは答えなかった。
「それで、です」
「お砂糖はカロリーなので」
「それを摂る様にしています」
「水泳とは別に」
「さもないとお仕事が出来なくなるので」
「甘いものもですか」
「摂る様にしています」
その甘くしたミルクティーを飲みつつ話した。
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