第七十九話 アイスティーその四
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「別に問題ないとです」
「言われますね」
「はい」
実際にというのだ。
「そう言われます」
「そうです、多くの国での肥満はです」
「アメリカみたいな感じですね」
「アメリカの肥満と言うとわかりやすいですね」
「あれ凄いですが」
「あれ位で、です」
まさにというのだ。
「肥満と言います」
「そうなんですね」
「アメリカで太っている人は出世出来ないといいますが」
「自分の体調管理も出来ないと思われてですね」
「あそこまで太っていますと」
それこそという口調での言葉だった。
「健康を害します」
「だから出世出来ないんですね」
「不健康ではです」
「出世どころじゃないですね」
「出世も健康であってこそです」
このことが前提になるというのだ。
「即ち健康を害するまでに太らないと」
「肥満じゃないですか」
「私は思います、少し体重が増えて」
その程度でというのだ。
「無理なダイエットに励んではいけません」
「よくあることですね」
「日本ではそうですね」
「ちょっと体重が増えて」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「食べない、無茶な運動をする」
「そうしてどんどん痩せる」
「痩せ過ぎもよくないです」
「かえって肥満と同じですね」
「実は以前失恋からです」
これを経験してというのだ。
「男の人ですが」
「ダイエットしたんですか」
「あまり召し上がられなくなり」
そうしてというのだ。
「毎日激しい運動をして」
「かなり痩せたんですね」
「病的に。ですがそれでもダイエットを続け」
「どうなったんですか?」
「女の人は痩せれば痩せる程いいと思っていると」
その様にというのだ。
「言っておられました」
「病的に痩せてもですか」
「ふっくらしていた頬がこけ目もくぼんで」
そうなってというのだ。
「毎日疲れ切ったお顔をしているのに」
「それでもそう言われて」
「ダイエットを続けていました」
「失恋が堪えて」
「何でも太っている人は嫌と言われたそうで」
それが原因でというのだ。
「トラウマになったそうでして」
「ああ、精神的なものですか」
「はい」
まさにというのだ。
「その為でした」
「そうした人って大変っていいますが」
「はい、それで遂に倒れて」
「大丈夫だったんですか?」
「精神科の診察から治療をはじめました」
「トラウマのことからですか」
「そうでした、それで何とか今はトラウマも癒えて」
そうなってというのだ。
「かなりです」
「よくなりましたか」
「はい」
そうなったというのだ。
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