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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第21話:訓練は本番さながらに
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上に向かって,飛び出した。

フェイトは俺が先ほどまで中にいた砂埃の方を見つめている。

[レーベン,カートリッジロード。メッサーレーゲンで行くぞ!]

[《了解しました》]

俺は,カートリッジを2発ロードすると,
俺を見失っているフェイトに向かって,魔力の刃を大量に降らせた。

フェイトはその魔力反応で気づいたのか,シールドで防御しようとする。

(それじゃあコイツは防げないぜ,フェイト)

メッサーレーゲンはただの魔力弾と違い,極限まで薄く磨いだ
魔力の刃を飛ばす魔法なので,威力は小さいがシールドを切り裂いて
相手に命中させることができる。

俺の目論見どおり,いくつかの魔力刃が命中したようで,
フェイトのバリアジャケットは何箇所か裂けていた。

『シャマルよりロングアーチ02。非戦闘員の退避が完了しました』

「ロングアーチ02了解!ロングアーチ02より機動6課各員へ。訓練終了!」

俺はそう言うと,ステルスモードを解除した。

(やっぱり,空中戦でステルスはキツイな。3分が限界か・・・)

俺は,もう魔力もほとんど残っていない。
飛んでいるのも限界だったので,地上におりた。

そこにフェイトが涼しい顔をして降りてきた。

「うーん。うまく時間を稼がれちゃったね。私もゲオルグに被弾させられたし」

「ギリギリだったけどな。ステルスはもう1分くらいしか持たなかったし」

「やっぱり,あいかわらず空中戦は苦手なんだ」

「うん。なんか飛行魔法の効率が悪くてね。
 多分魔力性質の相性の問題なんだけど」

「じゃあ劇的な改善は望めないか。惜しいね」

「こればっかりは,しょうがないよ。ま,空中戦なんかしないで済む状況を
 作れるように頭を使うさ。もともとガチンコで戦うのは好きじゃないし」

俺はそう言うとフェイトに笑ってみせた。


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