第一話 開幕その十五
[8]前話 [2]次話
「その人間がいてもね」
「地球はだね」
「大して変わらないし」
それにというのだ。
「人間を滅ぼす時に多くの生きものが死ぬから」
「そうだね」
「そして人間は悪か」
「地球を滅ぼすのなら悪だね」
「地球から見れば、いや」
「いや?」
「それも本当に地球の声か」
このことも言うのだった。
「僕は確信は持てていないよ」
「そうなのね」
「そう、そして多くの命を巻き添えにしていいのか」
「それはよくないよね」
「何の関係もないね」
それこそというのだ。
「そうも考えるから」
「だからだね」
「僕はそうしたことも考えてね」
「人間が滅んで欲しくない」
「そう考えているんだ」
こう北都に話した。
「地の龍だけれどね」
「人間には滅んで欲しくないんだ」
「そう、色々考えて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「そう思ってるんだ」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「地の龍の夢見として」
この立場でというのだ。
「これからはね」
「動いていくのね」
「そうするよ」
こう北都に話した。
「君との話はこれからも続けていきたいけれど」
「お願いね」
笑顔でだ、北都は牙暁に応えた。
「あたしからもね、お友達としてね」
「僕達は友達なんだ」
「嫌?」
「嬉しいね」
牙暁は北都に顔を向けて微笑んで応えた。
「それは」
「そうなのね」
「うん、ずっと起きれなくて」
「こうしてだね」
「夢の世界で過ごしていて」
そしてというのだ。
「友達はね」
「いなかったんだ」
「だからね」
それ故にというのだ。
「お友達になってくれるなら」
「嬉しいのね」
「うん、じゃあこれから」
「うん、お友達としてね」
「お話していこう」
牙暁にここでもにこりとして声をかけた。
「そうしていこうね」
「是非ね」
「うん、それとね」
「それと?」
「貴方のこと何て呼べばいいかな」
北都は牙暁にこのことを問うた。
「一体」
「何でもいいけれど」
牙暁は考える顔で答えた。
「名前でもね」
「牙暁ともだね」
「君の望む様にね」
「じゃあ牙ちゃんでいいかな」
「渾名だね」
「あたし親しい人はそれで呼ぶからね」
だからだというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ