第一話 開幕その十四
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「終わるよ」
「やっぱりそうなるかな」
「うん、ただ不思議なことに」
「何かな」
「世界は滅びると思うけれど」
「地の龍の未来だね」
「七人の御使いのね」
彼等のというのだ。
「未来になる筈なのに」
「貴方はそう見るんだ」
「その筈なのに彼は」
目を開き悲しい顔で述べた。
「君の弟さんでなくてね」
「星ちゃんだね」
「あの人が死にそうだよ」
「あたしもそう思うよ」
北都も悲しい顔になった、そのうえで答えた。
「やっぱりね」
「そう思うね」
「けれど世界はだね」
「滅びる、けれど」
「それは未来は一つじゃないから」
「僕は二つの未来を見ているのかな」
「そうだよ、星ちゃんって実はね」
彼のことをさらに話した。
「自分の心がない様に言ってるね」
「人の気持ちがだね」
「特に痛みがね」
「そうだね」
牙暁もそれはと頷いた。
「あの人は」
「けれどそれは嘘だから」
「嘘吐きだね」
「星ちゃん凄い嘘吐きなんだよ」
北都はにこりと笑って話した。
「自分で言ってるけれどね」
「本心は言わないね」
「そう、だからね」
「僕にも君にもだね」
「特にあたしと最後に会った時からね」
「本心を言わないね」
「そう、それをね」
「嘘で隠して」
「そしてね」
そうしてというのだ。
「言うからね」
「そうだね、僕にも嘘を言っているよ」
「そんな人だから」
それ故にというのだ。
「その言葉はよく考えてね」
「聞くとだね」
「そうしてね」
「そうするよ。僕は地の龍だけれど」
その立場がだとだ、牙暁は北都にこうも話した。遠い場所を悲しい顔と目になってそのうえで話した。
「世界が滅んで欲しいか」
「考えてないね」
「人間が滅んでも」
そうなってもというのだ。
「地球は再生してもまたね」
「危なくなるよね」
「地球の長い歴史ではね」
「何度もあったね」
「そうだったしね、そして人間がいても」
それでもというのだ。
「地球が滅ぶか」
「地球ってそこまで脆いかな」
「人間は地球の表面にしかいないんだ」
「そうよね、ほんのね」
「空にも地下にも進出でも」
そうしてもというのだ。
「それでもね」
「やっぱりね」
「表面でしかないから」
「地球は深いよね」
「人間は小さな存在だよ」
そうだというのだ。
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