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レーヴァティン
第二百七十三話 全てを整えその十一

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「見ていてのう」
「司っているな」
「そうぜよ、そうした神様ぜよ」
「だからこそアッラーは偉大だ」
「人が隠していると思っておっても」
「人を騙せてもな」
「アッラーは騙せんぜよ」
 イスラムの考えではそうなる、何しろ世界の全てを見ているので。
「絶対にのう」
「そうした考えだな」
「そうぜよ、アッラーは特にそうでのう」
「神ならばな」
「力の大小はあってもぜよ」
「やはりこの世の全てを見ていてだ」
「人もぜよ」
「そういうことだ、そのうえで動く筈だ」
「わし等が自分を知ったことをぜよ」
「隅から隅までな」
「そしてぜよ」
 そのうえでというのだ。
「動くぜよ」
「今は動いていないか」
「いや、自分達の拠点でぜよ」
「何かしているな」
「寝ているままとかはぜよ」 
 それはというのだ。
「例え寝ていてもぜよ」
「何かをしているな」
「クトゥルフ自身はそうであっても」
 それでもというのだ。
「その夢の中で、ぜよ」
「あの神はそうした力もあるからな」
「しているぜよ」
「そう考えるべきだ」
「そうぜよ、それでのう」
 当季は右目を瞑ってさらに話した。
「わし等も動いちょるのう」
「クトゥルフはこちらの動きを見て知っている」
「それ前提でのう」
「そしてそれがいいな」
「絶対にぜよ」
 まさにとだ、当季も答えた。
「いいぜよ」
「そうだな、ではな」
「そうぜよ、準備をぜよ」
「このまま進めていくな」
「そうするぜよ」
 こう言うのだった、そして英雄も久志もだった。
 武具を揃え他の準備も整えていった、クトゥルフと彼の眷属との戦いは間違いなく迫っていてそのことも頭に入れていた。


第二百七十三話   完


                  2022・9・8
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