第二章
[8]前話
合格した、彼等の通っている高校のレベルではそちらに合格するには瑠璃子位の順位でないと無理だと言われていたが。
瑠璃子だけでなく幸夫もそれだけの順位に位置する様になっていてだった。
二人共合格した、それでだった。
瑠璃子は合格発表の場でだ、一緒に合格を確認した幸夫をそっと二人きりの場所に連れて行って告白した、そうして彼に言うのだった。
「あの、実は同じ大学の同じ学部にです」
「僕となんだ」
「行きたくて。こう言えばわかりますよね」
「僕のことがなんだ」
「はい、好きです」
彼に顔を真っ赤にさせて話した。
「そうです、ですから」
「これからだね」
「交際してくれませんか」
その真っ赤な顔で言うのだった。
「同じ大学同じ学部で」
「一緒にいられるから」
「そうしませんか」
「それで僕に勉強を教えてくれたなんて」
彼はこのことを話した。
「そこまで想ってくれてるんだ」
「そうです、駄目でしょうか」
「そこまで想ってくれて嫌な筈ないよ」
これが幸夫の返事だった。
「いつも勉強教えてこうしてね」
「大学に合格した、ですか」
「そうなったからね、余計にだよ」
そのことへの感謝の気持ちもあってというのだ。
「嫌な筈ないよ、それにしても僕でいいのかな」
「川口君優しくて真面目なので」
「その性格がなんだ」
「好きにになりまして」
「勉強教えてくれて」
「同じ大学の同じ学部に合格して」
そうしてというのだ。
「その時に告白するつもりで」
「今してくれたんだね」
「そうです」
「性格を見てくれてなら尚更嬉しいよ、じゃあ僕でよかったら」
「告白受けてくれますか」
「言ったよね、ここまで想ってもらって嫌な筈ないよ」
笑顔でまたこう言った。
「だから僕でよかったら」
「有り難うございます、嬉しいです」
瑠璃子は泣きそうな顔で言った。
「じゃあこれからは」
「一緒にね」
「宜しくお願いします」
その泣きそうな顔で応えた、そうしてだった。
瑠璃子は自分の願いを適えた、二人は大学に入ってから本格的に交際に入ったが彼はいつも幸夫の傍にいて彼を助けた、幸夫はそんな彼女にいつも感謝して交際を続けていった。
勉強を教えてくれる理由 完
2022・12・21
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