第二章
[8]前話
声をあげて笑いながら飲んで食べるのでクラスメイト達はわかった。
「遠島さんってね」
「実は明るい?」
「クールビューティーじゃなくて」
「無口で無表情で落ち着いてると思ったら」
「これが」
「あっ、私話しかけられないと話さない性分なの」
鮎莉はその彼女達に笑って話した。
「実はね」
「そうだったの」
「じゃあ話しかけたらなの」
「明るくお話するの」
「それで遊ぶ時はね」
今の様な時はというのだ。
「もう自然とね」
「身体が動いて」
「それでなの」
「賑やかになるの」
「そうなの、けれど話しかけられないで何もしないと」
そうであるならというのだ。
「スイッチ入らなくて」
「無口無表情」
「そうなのね」
「そうした人もいるってことね、人それぞれでね」
いつも通り明るい房恵は笑って話した。
「一見これはと思っても」
「実は違う」
「そんな人もいるってことね」
「遠島さんみたいに」
「そうでしょ、だからね」
それでと言うのだった。
「私も遠島さんも誘ったのよ、それにクラスの皆って言ったら」
「皆誘う」
「そうしないと駄目ね」
「仲間外れは駄目ね」
「そうだしね」
こうも言うのだった。
「遠島さんも誘ったのよ」
「誘ってくれて嬉しいわ」
鮎莉も笑顔で言ってきた。
「お陰で楽しめたわ、じゃあこれからもね」
「うん、皆でね」
「明るく楽しくね」
「クラスでやっていきましょう」
二人で話して他の娘達もだ。
それならと頷いた、そうして皆で楽しく歌って飲んで食べた。それから鮎莉をクールビューティーと言う者はいなくなった。話しかけたり誘ったりしないと静かだが逆にそうしたことをするととても明るい娘だと言って一緒にいるのだった。
パッと見だけクールビューティー 完
2022・12・21
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