聖夜編 ウルトラファンロンファイト
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掛けて襲い掛かって行く。
バルタン星人にとって、スペシウムは最大の弱点。当たれば当然、タダでは済まない。
『フォオッ……!』
自身の「天敵」であるスペシウムで精製された弾頭を目の当たりにした宇宙忍者は、焦燥を露わにその場からテレポートで移動するのだった。
これまで特殊能力に頼らずアキレスを圧倒していた彼は、とうとうそれまで保っていた「余裕」を失ったのである。そして外されたスペシウム弾頭は、アキレスの近くに着弾しようとしていた。
「不味い、このままじゃアキレスにッ!」
「いいえ隊長、これで良いのです。……彼になら喜んで貰えることでしょう。僕達からの、ささやかな『クリスマスプレゼント』なのですから」
「な、なに……!?」
その危機的状況に、琴乃と弘原海が焦りの声を上げる中。劉静は独り蠱惑的な微笑を浮かべ、玉座のような指揮官用の大きな肘掛付きの椅子に腰を下ろし、白く肉感的な両脚を組んでいる。安産型のヒップはむにゅりと形を変え、白い乳房もその弾みでぷるんっと揺れ動いていた。
女性を惑わす中性的な美貌と、雄の本能を掻き立てる芳醇な色香とプロポーション。
その両方を併せ持ち、その肉体から絶えず甘い芳香を振り撒く「中国支部の王子様」は、優雅な佇まいで真紅の巨人を見下ろしていた。
『デュッ……!』
幾人もの男性隊員達の情欲を煽って来た、挑発的にして蠱惑的な劉静の微笑。
その妖艶な笑みを遠方から目撃したアキレスは、彼女の「意図」を察すると即座に上体を起こして、スペシウム弾頭に指先を向ける。
彼の指先から発せられた念力が、「弾道」を捻じ曲げたのはその直後だった。
『……デュァァアーッ!』
そして、バルタン星人がテレポートで逃げた先へと――スペシウム弾頭を向かわせたのである。
『フォオオオーッ!?』
念力による軌道変更までは予測出来なかったバルタン星人は、とうとうスペシウム弾頭に直撃してしまうのだった。
凄まじい爆炎が天を衝き、宇宙忍者の巨躯を飲み込んで行く。
「ふふっ……どうやら、我々の『クリスマスプレゼント』は正しく届けられたようですね。弘原海隊長も駒門隊員も、ご協力頂き感謝致します」
「劉静隊員、お前は初めからそのつもりで神虎炸裂誘導弾を今の発射角から……?」
「人が悪いぜ、全くよぉ……!」
「うふふっ……それはそれは。お褒めに預かり光栄です」
「……はぁ〜」
その光景を優雅に見届けている劉静は、初めからアキレスの念力も作戦に入れて、スペシウム弾頭を撃つよう指示していたのである。
自身の予測通りに動いた2人の巨人を見下ろす女傑は、得意げな笑みを浮かべて背を反って胸を張り、長い脚を組み直していた。一方、弘原海と琴乃はそんな劉静の振る舞いに
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