聖夜編 ウルトラファンロンファイト
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ウルトラアキレスが暁嵐真と一体化し、この青い地球を守り抜くための戦いに立ち上がってから数ヶ月。
数多の死闘を経て、救世主としての名声を不動のものにした彼は、ようやくこの年の白き聖夜を迎えようとしていた。戦いの日々に疲れ果てた心を、ほんの僅かでも癒すために。
――だが、侵略者達には地球人の都合など通用しない。例えクリスマスだろうと年の瀬だろうと、彼らは己の野望に従い攻撃を仕掛けて来るのだ。
『デュウワッ!』
『フォオッ!』
純白の雪が降り積もる、東京の遊園地。
先ほどまで艶やかなネオンに彩られていたその敷地内の設備を次々と薙ぎ倒しながら、遥か遠くの星から来た巨人達は、真冬の夜に苛烈な格闘戦を繰り広げている。
幾多の死線を潜り抜け、一流のウルトラ戦士に成長したアキレス。
そんな彼とも互角の勝負を繰り広げているのは――古くから「宇宙忍者」の異名で恐れられている、永遠の宿敵ことバルタン星人だった。
(こいつ、バルタン星人なのに分身もテレポートも使っていない……! そんな力に頼らなくても、俺なんて簡単に倒せるって言いたいのかッ……!?)
影分身やテレポートといった特殊能力を得意とするはずの彼は、敢えてその一切を使おうとせず、真っ向からの肉弾戦だけでアキレスと渡り合っている。
だが、その佇まいには常に「余裕」の色があることから、決してその手の能力が使えないわけではないようだ。
アキレスが察している通り、バルタン星人は能力に依存することなく彼を倒そうとしているのだ。
両者の殴り合いによって半壊した遊園地。その敷地内で辛うじて破壊されずに残っていた設備に灯るネオンの光が、真正面から組み合う巨人達を照らし上げている。
『フォオッフォオッフォオッ……!』
『デュッ……!?』
その設備すらもグシャリと潰されてしまったのは、それから間も無くのことだった。
アキレスの両腕を鋏で捕らえたバルタン星人が、組み合いの体勢から急速に身を引いたのである。巴投げの要領で投げ飛ばされてしまったアキレスは宙を舞い、設備の上に叩き付けられてしまうのだった。
『フォッフォッフォッ……』
『デュ、ウゥッ……!』
能力になど頼らずとも、お前を殺すことなど容易い。言外にそう告げているかのように、バルタン星人は特徴的な声を上げてアキレスの姿を嘲笑っている。
一方、設備に叩き付けられたアキレスはダメージの蓄積が激しいのか、その場から上手く立ち上がれずにいた。そんな彼を踏み付けてやろうと、バルタン星人は地響きを立ててアキレスの背に迫ろうとする。
『……! あれは……!』
――だが、そうはさせじと1機の爆撃機が空を切って飛び込んで来た
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