第二章
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「この通りね、三十五歳でね」
「そうですか」
「けれどダーリンいるから」
にやりと笑って言うのだった、このことを。
「それで来年ね」
「まさか」
「そのまさかよ、私も努力したから」
それでというのだ。
「課長になれてね」
「結婚もですか」
「出来るのよ」
こう言うのだった。
「そういうことよ」
「そうですか」
「ええ、それじゃあね」
「君もよ」
「努力することですね」
「そうしなさい」
山崎に笑顔で告げてだった。
「いいわね」
「わかりました」
山崎も頷いてだった。
仕事に励み資格も取る様に勉強していった、そうして結果を出していき。
それが認められて出世していった、そのうえで部長になった時に新しく入った社員達に対して言うのだった。
「仕事を頑張って仕事に活かせる資格を取って」
「そうしてですか」
「頑張ればですか」
「我が社は努力を見ているからね」
それ故にというのだ。
「努力は今すぐでなくても結果に出るよ、それが出たら」
「その時ですか」
「僕達どうなるんでしょうか」
「出世もするよ、出世したいと思うなら」
それならというのだ。
「仕事を頑張るんだ、いいね」
「わかりました」
「そうします」
「僕も言われたんだ」
微笑んでだ、山崎は新入社員達に話した。
「常務にね」
「浜崎常務ですか」
「あの方に」
「若い頃にね、若し出世したいなら」
そう思うならというのだ。
「純粋に仕事の為に努力をして」
「頑張って」
「資格を取る為に勉強することですね」
「そうしていけばいいってね、それで僕も部長になったし」
今の様にというのだ。
「君達もだよ」
「そうですか、じゃあ」
「部長や常務の様になりたいならですね」
「努力するんだ、そうすれば出世しないなら適うし」
そうなるし、というのだ。
「他の道もだよ」
「拓けますね」
「努力次第で」
「そうなるよ」
笑顔で話した、若い頃を振り返って。そしてあの時彼女に言われた言葉をその通りだと思うのだった。
昇進したいなら 完
2022・12・20
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