プロローグ
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俺、青野北斗はとある偶然から「霊子ハッカー」と呼ばれる魔術師達が、あらゆる願いを叶えてくれるという月の聖杯を得るために戦い合う「聖杯戦争」に参加した。
聖杯戦争に参加した魔術師達は、「サーヴァント」という聖杯の魔術によって実体化した過去の英雄や偉人の情報を持つ霊子生命体と契約して、自分の代わりにサーヴァント同士を戦わせるというのが聖杯戦争のルールだ。そして俺が契約したサーヴァントは「キャスター」と名乗る露出度の高い着物を身に纏った半獣の女性だった。
キャスターは魔術師として半人前でろくな力もない俺を信じてくれて、戦闘でもそうでない時も全身全霊で尽くしてくれた。たから俺も彼女の信頼に答えるために、戦いの中で魔術師としての腕を磨き、必死の思いで戦って勝っていった。
海賊、狩人、少女の幻想、吸血鬼、武術家、狂戦士、騎士、そして歪んだ願いに囚われた白衣の亡霊とそれに従う救世主。
並み居る強敵達を倒してついに俺とキャスターは聖杯戦争に勝利し、俺はこれから先悪意を持つ者が聖杯に触れられないようにするため、聖杯に永遠に眠るようにと願った。聖杯は無事俺の願いを聞き届けてくれたが、その代償として俺は電子の海に溶けて消えてしまうこととなる。
………………いつの間にかそばについて来たキャスターと一緒に。
俺は死ぬ時まで一緒にいてくれるキャスターに心から感謝をしながら意識を手放し、これで俺とキャスターの物語は幕を下ろすハズだった……。
「……オギャ?(あれ?)」
しかしどういうわけか俺は生きており、しかも赤ん坊の姿となっていた。
「ああ、北斗が起きたわ。丁度よかった」
突然の事態に軽く混乱していると、見知らぬ女性が俺の顔を覗きこんで笑顔を浮かべる。……え〜と、誰?
「北斗。今お隣の奥さんが子供を連れて遊びに来ているの。あなたと同じ日に生まれた子だから仲良くしなさいよ」
見知らぬ女性は俺の疑問など知らずに話しかけてくる。いや、だから本当に誰? というかお隣の子供?
全くわけが分からないまま隣を見るとそこには……、
「バブー!(ご主人様ー!)」
「オギャ!?(嘘ぉ!?)」
何やらどこかで会った気がするピンク色の髪と頭に生えた狐耳が印象的な赤ん坊がいた。
……どうやら俺とキャスターは一度死んで別の世界に転生したらしい。
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