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第一話 開幕その十

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「昴流君が天の龍ですか」
「そうです」
「因果ですね」
 星史郎は微笑んで話した、目までそうなっている。
「それもまた」
「貴方は討たれたいですね」
 牙暁は目を閉じて問うた。
「彼に」
「違うと言えば」
「そうは思えないですが」
「ははは、そう言われますか」
「人は夢では嘘を吐けません」
 庚に告げたことを彼にも告げた。
「ですから」
「僕はこれまでの人生で嘘を吐き続けていますよ」
「だから夢の中でもですか」
「どうでしょうか」
 また微笑んで話した。
「それは」
「そう言われますか」
「ですが僕が地の龍の一人なら」
 煙草を出した、それに火を点け吸ってからまた言った。
「やれることをです」
「行われますか」
「そのうえで」
 今度はやや上を見上げて話した。
「まあそこから先は言わないでおきましょう」
「そうですか」
「時が来ればお伺いします」
 牙暁に告げた。
「あちらの方にはその様にお伝え下さい」
「それでは」
「ではまた」
「お待ちしています、ですが」
「ですが?」
「貴方は生きるおつもりはないですね」
 牙暁はまた問うた。
「そうですね」
「ですから僕は嘘吐きですよ」
「だからですか」
「はい、そして意地悪なので」
 そうした人間だからだというのだ。
「ここはです」
「そうですか」
「あえて言いません」 
 そうするというのだ。
「そのうえで」
「来られますか」
「他の地の龍の方々とお会いする時を楽しみにしていますよ」
 こう言うのだった、そうして北暁が去るのを心で見送った。
 牙暁はまだ幼さの残る顔で中華風の服とズボンを身に着けた白い細い髪質の痩せているが引き締まった身体つきと忠誠的な顔立ちの少年の夢にも出た。
 そのうえでだ、こう言った。
「貴方の名前は??、そして」
「塔城霧月」
 少年は自ら言った。
「それが僕の名前」
「そう。時が来れば」
「僕は動く」
「そうなる。けれどその時から」
 牙暁はさらに言った。
「君は多くのものを知ることになる」
「その時から」
「君は人間だから」
 それ故にというのだ。
「そうなる」
「僕は人間」
「そう、人間だから」
 こう??に言うのだった。
「多くのことを学んで欲しい」
「それじゃあ」
「また会おう」
 ??に優しい声で告げた。
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