第一章
[2]次話
アウトサイダーアートとのこと
美大の学生の作品の展示会が行われていた、そこに行ってだった。
サラリーマンをしている入間歩、一七〇程の背で癖の強い短い黒髪であどけない童顔で痩せている彼はその中にある不気味な絵を観て言った。それはえも言われぬ人間のおぞましい内面を描いたかの様だった。
「何か凄い絵があるね」
「そ、そうだな」
「何だこの絵」
「インパクトあり過ぎだろ」
一緒に展示会に来ていた大学時代からの友人達もその絵を観て言った。
「幾ら何でも」
「滅茶苦茶怖い絵だな」
「一度観たら忘れられないな」
「そうだよね」
入間は友人達にその絵を観つつ応えた。
「本当に」
「ああ、他の作品も凄いが」
「絶対に忘れられないな」
「この作品が一番印象に残るな」
こうした話をした、そしてだった。
入間はその絵のことをネット上で話した、すると。
「ああ、あの人な」
「あの人有名だからな」
「まだ学生さんだけれどな」
「あの美大でも注目されてるんだよ」
こう口々に返事が来た。
「物凄くインパクトがあってな」
「滅茶苦茶怖い絵ってことでな」
「それでな」
「そうだったんだ、しかしね」
入間はネット上で話した。
「あの絵って芸術的にどうなんだろう」
「いや、どうだろうな」
「それはわからないな」
「けれど評価はされてるな」
「芸術の世界でな」
「そうなんだ、僕は浮世絵好きだけれど」
入間は自分の好みの話もした。
「けれどあの人の絵はどうも」
「そこは人それぞれだからな」
「芸術なんてそうだろ」
「上手下手もあるけれどな」
「感性っていうかな」
「そういうのだろ」
「そう言われるね、それでなんだ」
入間はネット上でさらに言った、芸術というものについて深く考えつつそのうえで書き込んでそうしていった。
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