暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第138話:刮目すべき、父の姿
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しなくて済んだであろう。作り上げたオートスコアラーをキャロルが自らの手で魔剣を使って切れば済む話だった筈だ。
故に、この計画はキャロルにとっても賭けだった。特に呪いの力を必要としない奏や、魔法使いの存在は計画にとって大きな障害であり、その為にハンスやジェネシスと手を組むことを選んだ。
だが最早計画は最終段階。後はシャトーの機能により世界が分解されるのを待つだけ。
「もう止めよう、キャロルちゃん!!」
そんな状況でも、響はキャロルを戦い以外の方法で止める事を諦めなかった。彼女は、人と人とが分かり合えることを知っているし信じている。だから止まらない。彼女が彼女である限り。
「本懐を遂げようとしているのだ! 今更止められるものかッ!!」
しかしある意味で追い詰められたキャロルに、響の言葉は届かない。計画の達成は目前、そしてハンスにはもう時間が無い。自分をこれまで支え続け、愛してくれていた彼に報いる為に、キャロルにも留まると言う選択肢は存在しなかった。
そうしてキャロルはダウルダブラを身に纏う。己の計画を阻むすべてを排除し、悲願を達成する為に。
今ここに、キャロルとの最後の戦いの幕が切って落とされようとしていた。
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