第二百七十二話 戦に向けてその三
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「それで忘れたんならな」
「また頭に入れてもらってな」
「覚えてもらうことや」
「それだけのことだな」
「そやから同じや」
「書を読んでもらうか」
「聞いてもらうことや」
「忘れていてもだな」
「若しそうでも」
それでもというのだ。
「覚えてもらえばええわ」
「何度もな」
「人は覚えるが忘れる」
耕平はこうも言った。
「そして忘れてもな」
「何度も覚えてな」
「何時か完全にや」
「頭に入るな」
「飛行機のパイロットの訓練もや」
「完全に頭に入れるな」
「そしてや」
そのうえでと言うのだった。
「身体にすらや」
「叩き込んでな」
その様にしてというのだ。
「失敗のない様にしているっていうな」
「そや、忘れてもな」
「人間は覚えなおせてな」
「やがて頭だけでなくな」
「身体にもだな」
「覚えていくわ」
こう久志に話した。
「そやから何度でもや」
「忘れてもな」
「覚えていったらええわ」
久志に笑って話した。
「まさにな」
「人間の頭はどうしても忘れるしな」
「記憶力がええ人でもな」
「まあ極端にいい人もいるけれどな」
「やっぱり稀だな、ヒトラーやスターリンみたいなのはな」
この独裁者達の話もした。
「例外だな」
「そやで、その二人記憶力も凄かったけどな」
「一度聞いたことは忘れない位にな」
「それが執念深さにもなってたけど」
そのマイナス面もあったがというのだ、猜疑心の深さとそれが合わさって彼等の行いを決定付けたりもしている。
「それでもな」
「あの連中の記憶力はな」
「例外や」
「例外中の例外だな」
「そや」
まさにというのだ。
「普通人間はな」
「忘れていくな」
「一度聞いてもな」
そして見てもだ。
「そうしてもな」
「そうだよな」
「それでや」
「忘れるとな」
「また読んで聞いてな」
その様にしてというのだ。
「覚えるんや」
「そうすることだな」
「クトゥルフのことでもな」
「予習復習が何故行うべきか」
謙二は学校の勉強に例えて話した。
「やはりです」
「人は忘れるからだな」
「はい」
だからだというのだ。
「ですから」
「やっていくな」
「一度聞いて読んで覚えられるなら」
それならというのだ。
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