第四十四話 夏休みがはじまってその十三
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「毎晩何回もだから。けれど本人が言うにはね」
「落ちてるんですね」
「年齢と共に」
「そうなってるんですね」
「そうみたいよ、もう十代の頃は」
それこそという口調での言葉だった。
「毎日何度でも収まりがつかないって」
「そこまで凄いなら」
「それならですね」
「私達もですね」
「使われますね」
「その時だけかも知れないけれど」
見られてというのだ。
「けれどね」
「それでもですか」
「使われるのはもう当然」
「水着になったら」
「それは覚悟ですね」
「ええ、ただ漫画やゲームでもね」
そうしたものでもというのだ。
「使う子いるからね」
「ああ、二次元ですね」
「だからそうしたゲームもありますね」
「アニメだって」
「それで結構な規模になってるからね」
市場のだ、ただしゲームの方は衰退しているとも言われている。
「そちらもね」
「使う子いるんですね」
「二次元も」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「もうそこは色々でもあるわ」
「そうした漫画多いですしね、うちの弟も」
かな恵はここでも明男のことを話した。
「よく読んでいます」
「弟さんいるの」
「今中学生です」
「中学生ならね」
その年頃ならとだ、店長は答えた。
「もうそういう漫画をね」
「読む時期ですか」
「読みはじめて」
そうしてというのだ。
「お猿さんによ」
「お猿さんですか」
「それになる時期よ」
「そうなんですか」
「アイドルのグラビアもで」
今しがた話したそれもというのだ。
「それでね」
「まだありますか」
「あるわよ、普通の漫画やアニメやゲームでもね」
「興味が出てですか」
「水着とか下着とか見たら」
それこそというのだ。
「使わずにいられない」
「そうした時なんですね」
「もうね、それが十年はね」
それだけはというのだ。
「続くから」
「十年もですか」
「そうよ、ただその十年も」
かな恵が『も』と言ったそれはというのだ。
「人生じゃ長くないらしいわ」
「そうなんですね」
「十年でもですか」
「人間五十年どころか」
それに収まらずというのだ。
「八十年の時代でしょ」
「そうですね、今は」
「それだと十年はね」
八十年の人生の中ではというのだ。
「短い間よ」
「そうなんですね」
「昔の将軍様で十五歳で子供作った人いるけれど」
江戸幕府第十一代将軍徳川家斉であり、好色と言われその生涯の間に五十五人の子をもうけたと言われている。
「案外それがどんどん出来る年齢って限られているのよ」
「女の人もですよね」
一華が言ってきた。
「そうですよね」
「そうよ、出産適齢期もあるでしょ」
店長は一華にも話した。
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