第七十八話 夏バテも考えてその二
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「着替えてきなさい」
「そうしていいの」
「ええ、お手伝いしてくれることは嬉しいけれど」
その気持ちはというのだ。
「まずはね」
「着替えて」
「それからよ、いいわね」
「ええ、それじゃあ」
咲もそれならと頷いてだった。
一旦自分の部屋に入ってそこに鞄を置いて着替えた、そしてだった。
その後でキッチンに戻るともう素麺は茹でられて鍋から出されてだった。
湯切りの後冷やされてサラダと一緒になっていた、母はそれを作りながらそのうえで娘に言ってきた。
「あんたはお豆腐をね」
「冷奴ね」
「それをね」
そちらをというのだ。
「用意してね」
「それでいいのね」
「ええ、冷蔵庫から出してお皿に入れてね」
「お葱とか入れる?」
「咲の好きにしていいわ」
そうしたトッピングはというのだ。
「鰹節でも何でもね」
「そうね、じゃあ生姜のチューブあるから」
冷蔵庫を開くと丁度それが目に入った。
「これかけるわ」
「そうするのね」
「それとお醤油でね」
これも使ってというのだ。
「味付けするわ」
「じゃあお母さんはお葱とぽん酢にするわ」
「刻み葱もあるわね」
「それ使うわ。じゃあ一緒に食べましょう」
「それじゃあね」
母に応えてだった。
咲は冷奴の準備をしてテーブルの上に出した、そうしてだった。
二人でサラダ素麺とその冷奴を食べる、いただきますをして食べるが。
素麺を食べてだ、咲は目を丸くして母に言った。
「このお素麺美味しいわね」
「三輪素麺なのよ」
「三輪素麺って?」
「奈良のお素麺よ、名物なのよ」
「奈良県の」
「美味しいって評判でね」
その三輪素麺はというのだ。
「知り合いの人のお土産で貰ったのよ」
「そうだったの」
「それで今日はね」
「三輪素麺にしたのね」
「そうよ、確かに美味しいわね」
母も素麺をすすりつつ述べた、様々な野菜と一緒でドレッシングで味付けされたそれは食べやすかった。
「このお素麺は」
「そうね、本当に美味しいわ」
「お素麺は関東だと日光よね」
「あそこね、徳川家康さんのお墓のある」
「東照宮ね」
「あそこのお素麺が有名だけれど」
それでもとだ、咲は食べつつ話した。
「その日光のお素麺よりもね」
「三輪素麺は美味しいわね」
「ええ」
咲は食べつつ答えた。
「これは」
「ええ、ただお豆腐は普通のね」
「スーパーの?」
「お豆腐屋さんのよ」
そこのものだというのだ。
「安かったからね」
「買って来て」
「今食べてるの」
「そうなのね」
「それでお豆腐は京都が有名ね」
「また関西ね」
咲は地名を聞いて述べた、二人共豆腐はまだ食べていない。素麺は麺類でのびるので二人共まずはそちらを食
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