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第一話 開幕その五

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「東京に集まろうとしています」
「わかったわ、ではね」
「我々もですね」
「御使いを集めるわ」
「七人全員を」
「貴方、玖月牙暁と」
 女は起き上がり青年の名を呼んで話した。
「そうしてね」
「麒飼遊人とですね」
「そして八頭司颯姫が来てくれたから」
「あと四人ですね」
「そのうち三人はもう誰かわかったから」
 だからだというのだ。
「来てもらうわ」
「そうですか」
「そして」 
 女は上体を起こした、そうしてだった。
 牙暁にだ、こう言った。
「全員揃えば」
「その時こそですね」
「本格的にはじめるわ」 
 こう言うのだった。
「この世界を滅ぼすことをね」
「そうですか」
「地球を救う為に」
「わかりました」
「いつも言っている通りにね」
「人類を滅ぼしますね」
「ええ、人間がいなくなれば」 
 そうなればともだ、女は話した。
「それでよ」
「地球を穢し壊す存在がいなくなり」
「必ずよ」
「地球は蘇りますね」
「そうなるわ」
「庚」
 牙暁はやや俯き悲しそうな顔で言ってきた。
「宜しいでしょうか」
「何かしら」
「人間を滅ぼすとなると」
 そうすればとだ、その美女庚に話した。
「地球の他の生きもの達もです」
「死ぬわね」
「その殆どが」
「人間を滅ぼすにしても」
「他の多くの命もです」
「滅ぼすわね」
「そうなります」
「そうね、わかっているわ」
 庚は表情を消して答えた。
「そのことは」
「左様ですか」
「わかったうえでね」
「ことを進められますか」
「人間を滅ぼすわ」
「そうされますね」
「そして」
 庚はここでだった。
 その顔に今度は憎しみを出してだ、牙暁に話した。
「姉さんをね」
「あの方をですか」
「絶望のどん底に落としてあげるわ」
「あの方はこの世界のことを真剣に憂いて」
「全てを犠牲にしてね」
 そうしてというのだ。
「いつも夢を見ているわね」
「そして人々にお話しています」
「目は見えず耳も聞こえないのに」 
 ほんの一瞬、まさにその一瞬だった。殆どの者が気付かないだけのその一瞬だけ悲しみの表情を出してだった。
 即座にだ、庚は表情を戻してまた言った。
「そして碌に動けないのに」
「それでもですね」
「その身体に鞭打って」 
 そうしてというのだ。
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