第一話 開幕その四
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「ですから」
「丁様のことはですね」
「心配しないで下さい」
少年はアイスクリームを食べつつ言った。
「征一狼さんは」
「そうさせてもらいますね、ではこの蒼軌征一狼必ずです」
青年は優しく微笑んで応えた。
「七つの封印の一人として」
「戦いですね」
「この世界を護ります」
「お願いします、では僕もです」
「砕軌玳透君もですね」
「その責務を果たします」
「宜しくお願いします」
二人で今は甘いものを食べながら笑顔でいた、だがそこには確かな決意がありそれは揺るがないものだった。
埼玉県秩父の三峯神社でだった。
小柄で黒くかなり短い髪の毛ではっきりした顔立ちの足がかなり奇麗な緑のブレザーと白い極めて短いスカートの少女が黒と白の大きな狼を思わせる姿の犬と共に淡い色の着物を着た老婆に笑顔で言っていた。
「じゃあ今からね」
「行くんだね」
「うん、東京にね」
老婆に明るく笑って話した。
「そうしてくるね」
「それはいいけれど」
老婆は明るく笑っている少女を心配そうに見て話した。
「戦いに行くんだから」
「そうよね」
「そのことはね」
「わかってるけれどね」
「ずっとここにいたからかい?」
「東京なんて行ったことないから」
だからだというのだ。
「凄くね」
「楽しみなんだね」
「うん、楽しんでもいいよね」
「そんなこと止められないよ」
老婆は自分と向かい合って正座をして座っている少女に話した、和風の部屋でそうしている。見れば老婆の周りには四匹の犬達がいる。
「遊ぶことはね」
「そうなの」
「時にはそうしたらいいよ」
こう言うのだった。
「世界を救う戦いだからね」
「そうよね」
少女は少し真面目な顔になって応えた。
「私の戦いは」
「そうだよ、大変な戦いになるから」
「うん、戦う時はね」
「頑張るんだよ、ただね」
「ただ?」
「またここに戻って来る時は」
少女にこうも言うのだった。
「誰かをね」
「連れて来るの?」
「そうするんだよ」
「そんなこと出来るかな」
「出来るよ、そうしないと帰ったら駄目だよ」
「そこまで言う?お祖母ちゃん」
「言うよ、じゃあね」
老婆は少女に微笑んで話した。
「言っておいで」
「うん、猫依譲刃犬輝と一緒に行って来るね」
「ワン」
犬も鳴いて応えた、そうして譲刃は立ち上がり東京に向かった。
黒く極めて長い髪の毛の妖艶な雰囲気に満ちた二十代後半と思われる切れ長の妖しい光を放つ目の女は今眠っていた、その夢の中で。
水面の上に紅の服を着て寝ていたがその彼女のところにだ。
白く長い髪の毛を持つ流麗で穏やかな顔立ちの白い着物を着た忠誠的な青年が来てそのうえで言ってきた。
「いよいよ
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