第二章
[8]前話
「別にね」
「まあ高校入学はめでたいことだ」
「それだけでね」
「だから今日はな」
「食べ放題でしっかり食べなさい」
「それじゃあね」
娘は両親の言葉に頷いた、そしてだった。
父にだ、店の人がお茶を出してくれたのを見て驚いた。
「えっ、お茶出て来たけれど」
「いや、出るからな」
「普通のお寿司屋さんはね」
両親はそれぞれ大吟醸を飲みつつ話した。
「回転寿司と違うんだ」
「だからお酒もよ」
「大吟醸なんだ」
「そしてお茶もよ」
「お店の人が持って来てくれるんだ」
「そうなのね、もうね」
それこそというのだ。
「私別世界に来たみたいよ」
「別世界ってな」
「言い過ぎでしょ」
「お茶を持って来ただけで」
「もうね」
「だってこのお茶美味しいし」
飲んで見ても言うのだった。
「おひやとも粉末のお茶とも違うわね」
「だからそうしたお店だってな」
「わかりなさいね」
「兎に角お前のお祝いだ」
「好きなだけ食べてね」
両親は大吟醸を飲みつつ娘に話した、そして一家で寿司を楽しんだ。美来は食べ放題ということもありかなり食べたが。
食べ終わって家に帰ってだ、両親にこう言った。
「やっぱり私は普段のね」
「回転寿司の方がいいか?」
「そちらの方がなの」
「ええ、いいわ」
こう言うのだった、そして次に一家で食べた寿司は回転寿司のもので美来はそこの寿司達を親しんで食べ自分で淹れた粉末のお茶を美味しく飲んだのだった。
食前に飲むもの 完
2022・12・17
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