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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(13)〜基地主戦陣地攻防(下)〜
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いのは俺の責だろうが、
ヴァーンシャッフェは無意識に唸りながら斧を突き出す。
「今のアンタは最低だ。奴らの奔放さを楽しんでいた『俺たちの連隊長』はどこにもいない。素人を率いて将官らしいこともできず。最前線で捨て去ったものに絡み、正しさを確かめようとする。貴方がかわいそうだよ、ヘルマン」
そして連隊長の斧は先代の装甲服に包まれた腕に跳ね上げられた。
「あぐっ‥‥」
腹を裂かれる。噴き出た血が凍っていく。生命が冷えてゆく。
「かわいそうだな、我が親愛なる副連隊長。お前には先が見えていない」
嘲るようにリューネブルクは戦斧を振り上げた。その目に怒りはなく、ただかつての部下の生命の如く何かが酷く冷え切っていた。
「だからお前たちは俺に捨てられたんだ。ここで終わりだ。無意味に死ね、ここで――」
答えることはなくヴァーンシャッフェはぼんやりと空を眺めた。
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混戦であるがヴァンフリート突撃工兵隊は浸透戦術を継続していた。その先鋒の一つを率いるのはアイディード中隊長率いる機甲中隊だ。
「弾幕を張れ!」
「アイディード中隊長!3時方向に敵を発見しました!」
「てめぇらくたばりやがれ!この土地は人民とモハメド・カイレ人民元帥のものだ!」
ポン、と間の抜けた音がし擲弾が放たれた。だが着弾すれば重火力陣地が爆ぜ‥‥その数倍の応射がかえってくる。
「ハハハハハ!!進め進め!」
「中隊長ォ!火力支援が来ないですよ!もう下がりましょうよ!」
「黙れ!ムサンダムとエル・ファシルと握手するまで後方を気にするな」
「足を止めるな!弾幕を張れ!敵を迂回するぞ!固い部分は師団主力に投げちまえ!」
「主力!?後続部隊もここまできたらおいそれと重火力は使えませ……」
その瞬間、装甲擲弾兵達は合金弾に弾き飛ばされた。
「は?」
「あの音……空気砲か!?パルメレントの玩具か!」
パルメレント・”コモンウェルス”‥‥と同盟政界や報道では呼称されるが実際はアルレスハイム王冠共和国以上に”皮をかぶらない”立憲君主国である。そして同時に非常に”実践こそが進歩への第一歩”という理念を持っているらしく様々な試作兵器を提案し、常に兵器不足に苦しむ交戦星域に時折、”支援”を行うのだ。
彼らの無線に高笑いが響いた。
「フハハハハハ!!パルメレントから供与された”ゼッフル粒子散布下専用巡航戦車『モラン大佐』”だ!わざわざ俺たちが何のために基地防衛についたと思うね」
材質はともかく、昔懐かしい戦車が姿を現した。
「ゼッフル粒子濃度など関係ないわ!蹴散らしてくれる!!」
スポスポスポ!と音を立て圧縮空気によって加速した弾丸が空気式機関銃からばら撒かれ、擲弾兵達は追い立てられる。
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